
前回はビジネスメールでのCCの使い方について説明しました。CCを使いこなせるだけでも、ビジネスの進め方がかなり違ってきますが、BCCはさらに高度なテクニックが必要になります。テクニックといっても、CCのときのようにビジネス上のテクニックであって、デジタルのテクニックではありません。だからこそ、アナログ的要素が大きく、誰でも使えるテクニックです。
なお、CCのことは分かっている前提で説明しますので、あやふやな場合は前回のCCについての説明をもう一度読んで復習しておいてください。
CCに記入していいのかどうか迷うとき
BCCに記入したメールアドレスは、受け取ったメールには表示されないので知ることができません。しかし、BCCで送れたメールは、TOやCCのアドレスは表示されるので、誰に宛てたメールなのか知ることができますし、場合によっては『返信』することもできます。ある意味、あなたが私に『密かに教えてくれた』ことになります。こんな機能をどう使うのか想像できないかもしれません。が、ビジネスではよくあることなのです。具体例で示しましょう。
あなたが、職場の先輩と一緒に取引先に行き、打ち合わせをしました。そして、次回は取引先の部長も同席することになったので、こちらも上司を連れていくことになりました。会社に戻ったら、先輩と一緒に上司に報告して日程を確認します。その結果を取引先にメールするのですが、TOは取引先のアドレス、CCに先輩のアドレスを入れるのはいいとして、上司にも念のためにメールを送るとするとCCに入れるべきなのでしょうか?
BCCだからこそできるメールの送り方
上司に知っておいて欲しいのだからといって、CCに上司のメールアドレスを入れると、後から怒られる結果を招きます。
というのも、取引先は部長が打ち合わせに出てくるような重要な話をしたがっているので、CCに上司のメールアドレスが入っていると、それ以降、直接上司宛にメールを送るようになる可能性があります。 実際に会って、打ち合わせしてからであれば、お互いに分かった上でのメールのやりとりなのでいいのですが、会ってもいない上司には、状況が把握できないメールが取引先から届くようになると、無視するわけにもいかず、これほど面倒なことはありません。
こういうトラブルを防ぐために、まだ取引先と会っていない上司にメールの内容を送るにはBCCを使うのです。
BCCは乱用すると信頼を落とすことにも
BCCは、誰に送ったのかは知られたくないけれども、重要なので知っておいてほしいといった場合に利用します。しかし、このBCCは、『ここぞ!』というときに利用すべきであって、乱用しているとBCCで送られた方はメールの数が増えるばかりで、何が重要なのかなぜBCCで送っているのか分からなくなります。
また、会社のイベント通知を複数の取引先に送るようなときに、BCCに取引先のアドレスを複数入力して1回で通知しようとすることもあります。しかし、受け取った人は、TOにもCCにも自社のアドレスが入っていないので間違いメールなのか?と思われてしまう可能性があります。特に、最近はウィルスを仕込んだ危ないメールもあるので、不審なメールを開かないようになってきており、開かれないまま削除される可能性もあります。
BCCは使いすぎると、信頼を失っていくことにもなるので乱用は禁物です。最初のころは、使い方をよく考えて職場の先輩や上司に確認しながらの方がいいでしょう。
メールの送り方は会社によっても違う
ビジネスメールでは重要なCCやBCCについて前回と今回で説明しましたが、これらは一般的なビジネスでのルールであって、就職すると企業によってさまざまなルールがあることに直面するでしょう。特に外資系の企業に入ると、本国の方針もあり全く違うルールで運用されていることもあります。
ビジネスメールに限らず、業務上の手続きにしても、文章の言い回しにしても、企業独自のローカルルールがあるということは分かっておきましょう。

5回に渡ってビジネスメールのことを説明してきましたが、友達とのやりとりとは大きな差があることが理解できたかと思います。
まだまだビジネスメールも変化している状態ですが、基本は効率よく、分かりやすくコミュニケーションするということを忘れないようにしてください。