
LINEやTwitter、FacebookなどのSNSばかり使っていると、電子メールの基本的な機能を忘れてしまいます。メールを使っていても、CCやBCCといった機能のことを知らない、使ったこともない人も少なくありません。今のうちに、しっかりと理解しておきましょう。
そもそもTO、CC、BCCとはどんな機能なのか?
メールのTOは送り先のメールアドレスを入力するというのは知っていると思いますが、CCやBCCについては違いを理解できているでしょうか? 初めて聞いたという人もいるかもしれないので、それぞれの違いを説明しておきましょう。
TO(トゥー)
今さら説明するまでもなく、英語の前置詞TO『~へ』という意味なので、宛先です。メールを誰かに送るときは、ここに相手のメールアドレスを入力します。
CC(シーシー)
Carbon Copy(カーボン・コピー)の略で、本来は宅配便の伝票のように1枚記入すると下の紙に複写されるコピーのことで、控えといった意味になります。機能としてはTOと同じで、メールを受け取った人にはCCに記入されたメールアドレスが表示されます。返信メールを送ることもできるので、単純に言えば、メールアドレスが表示される場所が違うだけで、TOと大きな差はありません。これをどのように使うのかは、後で説明します。
BCC(ビーシーシー)
Blind Carbon Copy(ブラインド・カーボン・コピー)の略で、機能としてはCCと似ているのですが、ブラインドとあるようにメールを受け取った人にはBCCに記入されたアドレスは表示されません。メールを受け取った人は、BCCに誰が記入されていたのかは知ることができないのです。この使い方はかなり高度なビジネステクニックなので、次回、じっくりと説明します。
簡単にまとめると、TOとCCはメールアドレスの表示される場所が違うだけで、BCCだけがどこにもメールアドレスが表示されないことになります。
CCは関係者に送るときに使う
TOとCCは機能的には差がないのですが、なぜ表示される位置が違うのでしょうか。具体的な例で考えてみましょう。
取引先との打ち合わせで、上司と一緒に行ったとします。その打ち合わせでは、こちらからイベントの提案をすることになり、まずは簡単な提案をメールで送ることになりました。このとき、TOに取引先担当者のメールアドレスを入れるのは分かると思いますが、上司のメールアドレスはどうすればいいのでしょうか?
本文は、取引先宛に書くので、前回に説明した通り『○○会社営業部の佐藤です』から始まります。この文章で上司に届くのは変ですよね。そこで登場するのがCCです。
CCには、『控え』という意味があり、『あなたに宛てたメールではないですが、知っておいて欲しいので送ります』という意味になります。メールを受け取った上司は、CCにメールアドレスが入っているので自分宛ではないことが分かり、TOのアドレスを見て取引先に出したメールだと理解できます。それによって、あなたがちゃんと言われた仕事をしているということも、取引先にどんなメールを書いたのかもチェックできます。
TOで受け取った人にとってのCCの意味は?
では、TOのアドレスに入っている取引先の担当者にとっては、CCのメールアドレスはどのような意味があると思いますか? どっちでもいいように思うかもしれませんが、実はビジネスではものすごく大きな意味があります。受け取った担当者からすると、CCに何も入っていないメールが届くと、あなたが考えて書いただけの内容なのか、上司と相談して決めた内容なのかはっきりしません。
特に、金額や期日といった内容になると、社内で調整した後の話なのか、単に担当者レベルで決めただけなのかはっきりしないのです。そこで、CCに上司のメールアドレスが入っていると、上司にも届いているので、上司と相談して決めた内容だと理解できるのです。つまり、CCに自分の上司のメールアドレスを入れることで、取引先への信頼につながるのです。CCの重要な役割、分かっていただけたでしょうか?
当然のことですが、自分で勝手に取引内容を決めてCCに上司のメールアドレスを入れておけばいいのではないですよ。メールを出す前に、上司とはどんな内容のメールを書くのか事前に相談することは忘れずに。

今回は、メールのCCについてビジネスでは重要な役割があるということを理解していただけたでしょうか?
このことは、会社に入っても細かく説明されることはありません。というのも、あまりにも当たり前に使っているので、説明しなきゃいけないということを忘れてしまいますし、習慣化している人も多いので、ここで説明したような話をしてくれる先輩や上司は少ないでしょう。 次回は、もっと高度なビジネステクニックであるBCCについて説明したいと思います。