
ちょっと前までは携帯でのメールが主流でしたが、今の学生は、LINEなどのSNSでのコミュニケーションが主流になっています。メールを使っているとしても、友達や知り合いとのメールばかりで、いきなり要件だけを書いていることでしょう。 しかし、社会人になると知らない人からの問い合わせや知らない人へのメールも多くなります。そこでは、ビジネスマナーをわきまえてメールを書かないと、恥をかくだけでなく、大きなトラブルになる可能性もあります。今回から5回に渡って、友達や知り合いとのやりとりと、ビジネスメールとの違いを説明していきましょう。
LINEに慣れてしまうとメールが書けなくなる
そんなことはない!と思っているかもしれませんが、LINEだけでなく、TwitterやFacebookのようなSNSの悪いところは、まとまった文章を書くことができなくなる点です。
短い文章でやりとりするのがクセになっていることや、友達との会話のようなやりとりに慣れてしまっているので、『タイトル』をつけることがありません。このタイトルをつけて、文章を書くというのは構成を考える必要があり、普段から意識してトレーニングしておかないと、タイトルが思いつかないようになり、メールタイトルを『お問い合わせの件』とか『お知らせ』といった迷惑メールのような文言しか思いつかなくなってしまいます。
LINEのように思いつきでやりとりするのと違って、文章構成も意識してトレーニングしておかないと数百文字の文章を書くことができなくなります。
顔も知らない人にメールを送ったことはありますか?
今までまったく見ず知らずの赤の他人にメールを送ったことはあるでしょうか? どこかで会ってメルアド交換してからメールを送ることばかりではないでしょうか? あるとしたら、製品やサービスを使い方や壊れていた、使えないといった問い合わせをするようなときでしょうか?(もっとも、文章を書くのが面倒だからということで電話することが多いとは思います。)
ところが社会に出ると、見ず知らずの人にメールを送ることは珍しくありません。新たな商品やサービスを宣伝するためのメールであったり、問い合わせへの回答であったり、同じ社内でも違う部署や別の支店への連絡は会ったこともない人へメールすることになります。だからこそ、知らない人へ送るメールの書き方を知っておかないと、いきなりつまずいてしまうことになります。
ビジネス文書と同じメールは嫌われる
ビジネスメールというと、時候の挨拶から始まって、社交辞令の美辞麗句を並べ、いよいよ『さて、今回メールさせていただきましたのは・・・・』と用件に入るようなイメージを持っているかもしれません。しかし、実際のビジネスメールでは、そんなメールを書いていると読んでもらえません。
確かに、紙に書いた文章では、最初に挨拶がいろいろ書かれていて、その下に用件が書かれているものが多くなっています。同じことをメールでやると嫌がられるのはなぜなのでしょうか? 失礼なことを書いているわけではなく、丁寧な文章で書いているにも関わらず、メールでは嫌われてしまう理由はどこにあるのでしょうか?
これこそ、『紙』と『デジタル』の違いです。紙の書類は、全体を一度に見ることができるので、急いでいる人は用件から読むことができます。ところが、メールの場合は長い文章だとスクロールしながら目を通さないとどこに用件が書いてあるのか分かりにくいのです。ビジネスでは、効率が求められるので丁寧な対応をしつつも、ポイントをしっかりと伝えることが大事なのです。

いかがだったでしょうか。ビジネスメールなんて、メールだから書けると思っていると苦労することになります。次回からは、具体的にどのような書き方をするのかを説明していきます。