
インターンシップに参加した学生の中に、よく「参加して満足してしまっている学生」がいます。ですが、残念ながらそうした学生は本選考で憂き目を見てしまうことが多いと感じます。
今回はインターンシップに参加した学生によくある失敗談をベースに、本選考へ向けて意識しておくべきポイントを押さえておきたいと思います。
NGその1. 参加したことで満足してしまう学生
一番あるパターンですが、選考に通過してインターンシップを終えて、その満足感を味わって終わってしまうパターンです。特にプロジェクト型や就業体験型の場合、かなり達成感がありますので、その気持ちは確かに理解できます。
ですが、そこで止まったままでは更なる成長はありません。インターンシップで目的は達成できたのか振り返ったり、学んだことを復習したり、繋がった知人と情報交換したり、インターンシップを基点に更に先を目指すことが大切です。なお、振り返るべきポイントについては、別の記事でお伝えしているので、そちらを参照頂ければと思います。
NGその2. 参加した優越感で怠け癖がついてしまう学生
選考を突破してインターンシップに参加できたことで、他の学生に対する優越感のようなものを持ってしまう学生がたまにいます。そうした学生に見られる悪い傾向が「自分はこのままでも大丈夫だろう」という妄信を持ってしまうことです。それによって、自己分析や企業研究が疎かになり、結果的に本選考で内定が獲得できないといった苦境に陥ってしまいます。
インターンシップの選考は本選考と比べて比較的甘いです。志望動機が必要なかったり、面接であまり深く突っこまれなかったり、ある程度の自己PRを持っている学生であれば通過はそう難しくありません。ですが、本選考はその程度では通過できません。インターンシップ段階から準備を怠ってしまった学生が通過できるほど生易しくはないです。
大前提ですが、インターンシップは就職活動の終わりではありません。むしろ選考前に企業を知るためのものという意味では「はじまり」です。そこで学んだことを活かして本選考での通過率を高めるのがインターンシップの意義です。
NGその3. 参加することが目的化してしまう学生
インターンシップに参加することが目的となってしまい、とにかく数を参加しようとする学生もいますが、あまりオススメはできません。
もちろん明確な目的を持って参加する分には何ら問題はありません。ですが「インターンシップに参加しておけば選考が有利になる」などの理由から数を重ねることは、あまり意味がありません(実際、インターンシップに参加しただけで内定が保証されるケースはありません)。
よくあるのが「不安から参加し続けてしまう」というケースです。周りがやっているから自分もやらなければと駆り立てられるように参加する学生は、例年少なくありません。
最初のキッカケはそれでも大丈夫ですが、実際参加する場合には、きちんと目的を持って取り組まなければ意味がありません。別の記事でもお伝えしていますが、インターンシップを有意義なものとするためには、参加目的を明確にしておく必要があります。実施企業が選考の中で志望動機を尋ねるのも、そうした意図があってこそです。この手の学生も、参加したインターンシップについて振り返ったりすることがないので、結局は「やっておしまい」のインターンシップになってしまいがちです。
NGその4. 参加した経験を活かさない学生
インターンシップで経験したことを振り返りはしたものの、そこで終わってしまう学生も少なくありません。たとえば、あるインターンシップを通して、自分の弱みに気づいたとします。それは一つの収穫ですが、そこで気づいた弱みを克服する努力を積まなければ結局意味がありません。
こうした「次に繋げる努力」が疎かになってしまうと、結局何度も同じことを繰り返す羽目になってしまいます(テストで同じ間違いを繰り返すようなイメージです)。
振り返った結果を真摯に受け止め、それを伸ばす/埋め合わせる努力を積むことがイコール「成長」です。別の記事でお伝えしていますが、インターンシップで評価される学生には2つのタイプがいます。「インターンシップ中に圧倒的な能力を発揮した学生」と「インターンシップ中に圧倒的な成長を見せた学生」です。
就活の面接でも、これは同じです。リクルートが発表している「就職白書」によれば、企業が学生にアピールして欲しい項目の3位に「将来の可能性」というのがあります(2013年度版にて企業の7割がアピールして欲しいと回答)。つまり「成長の可能性を感じさせてくれる学生」を企業は求めています。その「成長を感じさせる」要素の1つこそが「反省を活かす」という点です。
この「振り返る」「反省する」癖をつけることは、即ち企業が求める人物像に近づくということでもあります。ですので、必ず意識するようにしておきましょう。
NGその5. 嫌な思い出となり就活自体に意気消沈してしまう学生
中にはインターンシップ中に嫌な思いをしてしまい、就活自体に対するモチベーションが保てなくなる学生もいます。よくあるのがプロジェクト型のインターンシップで「一緒のチームのメンバーと合わなかった」「議論でダメ出しばっかりされた」というものや、就業体験型のインターンシップで「こんなに辛いと思わなかった」というケースです。
よく面接に落ち続けると心を病んでしまい、結果として就活自体が出来なくなってしまうというケースがあります。これはインターンシップでも同様です。インターンシップで心をやられてしまった学生も就活自体に対して消極的になってしまいがちです。
こうなると非常に厄介ですが、落ちこんでいた所で何も変わりません。インターンシップは本選考ではありませんので、マイナスに捉えすぎるのはむしろ逆効果です。筆者の友人で数人このようなケースに陥ってしまった子がいましたが、そのうちの一人はPCや携帯の連絡先を全て削除して一切の連絡を絶つという荒行を敢行しました。そうしてリセットするのも一つの手だと思います。
NGその6. インターンシップは無益と決めつけてしまう学生
セミナー型インターンシップに参加した学生に見られるのが、「この程度なら別に出なくてもいい」と決めつけてしまう学生です。
セミナー型で提供される情報には確かに、業界本1冊やネットのホームページに少し目を通せば得られる程度の場合もあります。そのため、このような感想を持ちたくなるのも一定理解はできます。
ですが、セミナー型インターンシップやその先の会社説明会で全体向けに伝えられる情報は総じてそうしたものです。なぜなら全体に向けて発信しているからです。持っている知識量などに差があることを前提に、知識ゼロでも理解できるような内容にしてあるのが普通です。
それにも関わらず「この程度」と即断してしまう学生は、いざ本選考が始まったとき「説明会なんて企業のホームページと大差ないから適当でいい」と結論づけてしまい、自分から主体的に情報収集(たとえば、説明会で質問したり)することを疎かにしてしまいがちです。
もしセミナー型で満足がいかなかった場合、ワンステップあげてプロジェクト型のインターンシップを検討するなど、段階を上がることが大切です。インターンシップに参加した段階に留まり続ける学生は大抵本選考でも憂き目を見てしまいます。

以上、インターンシップを終えた学生に見られる失敗談6パターンでした。大切なのは「やっておしまい」にならないようにすることです。目的を持って参加し、それが達成できたのか振り返り、もし出来ていなければ次にどういった努力が必要なのか、そのサイクルを常に心がけるようにしましょう。