
多くのインターンシップの場合、選考が課せられることがあります。当然、選考を通過できなければ、インターンシップに参加することはできません。今回は、その選考の対策についてお伝えできればと思います。
実施目的から見えてくる選考基準
別の記事「インターンシップに参加する前に考えたいこと 〜種類別のインターンシップの選び方〜」において、タイプ別の実施目的を紹介しています。そちらで詳しくお伝えしている通り、インターンシップにはタイプ別に実施目的が存在します。そして、実施目的が異なる以上、当然、選考基準(更には選考の有無)も異なってきます。
ここでは、タイプ別にどういった選考基準を設けているのか押さえておきたいと思います。
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セミナー型インターンシップの選考基準
セミナー型の実施目的は「実施企業に対する興味を喚起する」「認知度のアップ」「評判づくり」です。つまり、より多くの学生に自社に対する興味を持ってもらうことが目的です。
インターンシップは、ある程度の企業規模・体力がないと実施が難しいです。つまり、実施する企業はそこまで多くありません。逆に言えば、実施することで他社に先駆けて就活生に興味を持ってもらうことができます。就活が本格化した後のナビサイト上では、何万といった企業の中に埋もれてしまう企業も、インターンシップ募集段階では比較的学生の目につきやすいです。そうした効果を狙う企業も少なくありません。
このタイプの場合、実施目的を達成するためには、より多くの学生と触れ合わなければなりません。よって大抵の場合、選考が設けられていません。ですが、中には簡単な課題を1つ2つ課す企業もあります。ワーク形式のセミナーに多いですが、この場合の目的は「足切り」と「優秀な学生の選抜」です。
企業が対応できる人数には限りがあります。そのため、対応可能人数まで応募者数を削る作業が必要になります。それが足切り目的の選考です。この場合、なるべく自社に対する興味関心の強い(=自社に入社してくれそうな)優秀な学生を中心に残したいと企業は考えます。そのため選考課題は「インターンシップ参加する理由」「インターンシップで学びたいこと」など志望動機系のものが多くなります。
この場合のポイントは、自分が将来「やりたいこと」とインターンシップで「体験できること・学べること」が一致していることが大切です。ですが、単純に「営業について学びたい」「企画について学びたい」と抽象的にアピールしても採用担当者には響きません。説得力に欠けるからです。必要なのは、以下の点です。
- 将来やりたいことはなにか?
- なぜ将来それをやりたいのか?
- インターンシップの内容について理解しているか?(やりたいことが学べるのか?)
大まかにこの3点が書かれていれば、問題ありません。1と3について書けていても、2について具体的に書けている就活生はあまり多くありません。故に、この2をどれだけ意識しているかで通過率が変わってきます。
面接がある場合もありますが、基本的にはエントリーシート(以下、ES)くらいで終わることが多いです。面接については、以下のタイプにおける面接対策を参考にしてください。
プロジェクト型インターンシップの選考基準
プロジェクト型の実施目的は「優秀な学生の発掘」です。つまり、他社に先駆けて優秀な学生に目をつけておくことが目的ですから、当然選考を課します。主に面接ですが、一次で筆記試験やESを課してから二次で面接といったケースも少なくありません。筆者はこのタイプのインターンシップに一番応募していましたが、大半が「ES+グループ面接」というパターンでした。
このタイプの場合、実施目的を達成するためには、学生のポテンシャルを見極める必要があります。実質採用前提でインターンシップを開催するわけですから、選考もセミナー型より遥かに厳しいです。今回は、スタンダードなESと面接について、それぞれご説明致します。
ESの場合、セミナー型の質問に加えて「学生時代の経験」が加わってきます。ここでのポイントは、アピールした経験の中で「PDCA」が回せているかです。本選考では更に「どんな能力を発揮したのか?」「その能力を企業でどう活かせるのか?」というポイントも加わってきますが、このタイプのインターンシップでは、選考でそこまで深く見られることは稀です。実際、筆者はこのタイプに5〜6個参加しましたが、全てでその手の質問はされませんでした。企業に対する志望度はインターンシップの中で高めていけるので、まず多様な学生と会いたいという思いがあるようです。
面接の場合も同様です。形式は面接官1〜2人に対して学生2〜3人くらいの規模が多いように感じます。そのため学生1人あたりの持ち時間はせいぜい15〜20分程度です。深く突っこまれたりはしません。学生時代の経験をざっくりと話して、1つ2つ質問されて終了というパターンが多いです。
そのため、どちらかと言えば、基本的なコミュニケーションを押さえておく方が大切だと思います。たとえば「結論から話す」「面接時間が短いので、ダラダラ話さない」「数字や具体例を交えて分かりやすく」などです。インターンシップ選考で面接まで進む学生は、学生時代の経験で差がつきにくいです。また、企業側もそこまでハイレベルなものを求めていません。故に、こうした基本的なポイントが押さえられているかで差がつくと考えておきましょう。
就業体験型インターンシップの選考基準
就業体験型の実施目的は「労働力の確保」と「優秀な学生の囲いこみ」です。つまり採用前提の実施です。よって、選考も本選考と同程度のレベルを要求されると思っておきましょう。
このタイプの場合、実施目的を達成するためには、当然「能力があること」と「会社に向いていること」の両輪が固まっていることが重要です。つまり「能力がある=企業に貢献できる」「会社に向いている=能力を最大限発揮できる・長く働ける」学生を採用します。
選考はESなどの書類選考+面接というオーソドックスなスタイルが一般的です。中にはグループディスカッションなども挟んでくる企業もありますが、どちらかと言えば例外です。そして、このタイプの選考では、当然ですが「採用に値する」ことをアピールしなければなりません。
必要なのは「学生時代の経験」と「志望動機」になります。それぞれで必要な要素は以下の通りです。
学生時代の経験
- 自分には会社に貢献できる能力があること
- 能力でもって具体的にどういった貢献ができるのか明確なプランがあること
- 自分は会社の社風・価値観と合っているので、能力を最大限発揮できること
- 自分は会社の社風・価値観と合っているので、長く働けること
志望動機
- なぜ他の業界志望ではないのか?
- なぜ他の企業志望ではないのか?
- なぜ他の職種志望ではないのか?
要は本選考と同じレベルが求められるということです。当然、業界・企業研究も必要になってきます。この手のインターンシップに応募する学生は、自己PRで差がつきにくいので、特に志望動機の方にウェイトを置いておきましょう。こちらをどれだけ説得的にアピールできるかが採用/不採用の分かれ目だと思っておいてください。

以上、インターンシップの選考について大まかですがご説明させて頂きました。インターンシップレベルでは、まず自己分析を徹底することが大切です。就業体験型以外では、業界・企業研究よりも、まずは自己分析を徹底しておくことが通過の近道です。