インターンシップ

【2022年版】インターンシップの種類や目的と選び方

くまにぃ

インターンシップには、様々な種類があります。主には短期間/長期間という期間による区別、そしてセミナー型やプロジェクト型、就業体験型などの内容による区別があります。今回は、種類別にどういった特徴があるのか、どういった目的で参加すべきなのかを見ていきたいと思います。

インターンシップの種類

まずインターンシップの種類ですが、大まかには以下のように区分できます。

セミナー型インターンシップ

ワークなどを通して業界や企業についての理解を深めるインターンシップです。基本的には1〜3日の短期間で行われます。内容としては、講義形式のような場合もあれば、グループディスカッションのようなワークを交えるものもあり、企業によって色々です。

プロジェクト型インターンシップ

「弊社の新商品を企画して下さい」「新サービスの広報プランを立案して下さい」など、何らかのプロジェクトを与えられて、それについて複数のグループに分かれて取り組んでいくインターンシップです。最終的には、プレゼン発表して社員のアドバイスを頂いて終わりというケースが多いですが、企業によってはビジネスコンテストのように景品・賞金が出るケースもあります。

また、最も優秀な成績を収めたグループや学生には、選考上の優先権(一次選考免除、いきなり最終選考など)を与える企業もあります。なお、このタイプの期間は様々です。セミナー型と複合して1ヶ月くらいを設ける企業もあれば、3日間の短期決戦のものもあります。

就業体験型インターンシップ

実際の仕事を体験するインターンシップです。これは更に2つのタイプに分けられます。1つは「仕事の一部を任せるパターン」、もう1つは「1人の社員として仕事を任せるパターン」です。

前者はプロジェクト型に近い形とも言えますが、立ち上げた企画を実際に事業として走らせたり、より実践的です。後者はベンチャー企業、中小企業に多いスタイルで、言わば「アルバイト」です。そのため、このタイプのインターンシップは必然的に長期間拘束されることになります。最低でも3ヶ月〜半年、長ければ1年は見る必要があります。

タイプ別の実施目的

セミナー型インターンシップの実施目的

特に大手企業が実施することも多いセミナー型のインターンシップですが、その目的は「認知度のアップ」と「評判づくり」が大きいでしょう。もちろん最たる目的は、企業に興味を持ってもらうということです。加えて、それと同じくらい、学生の間での認知度を上げてることを目指しています。「あそこのセミナー良かったよ、分かりやすかったよ」「担当者が優しかったよ」などといった口コミを広めることで好印象を植えつけるイメージです。

セミナー型は懇切丁寧に業界や企業のことを説明してくれます。また少人数ではなくある程度の人数を集めて実施されるため、会場も賑やかで学生も安心して参加しやすいです。そして中身ではワークを取り入れることが多く、学生同士で和気藹々と楽しんで取り組めるものが多いです。そのため学生に好印象を持ってもらいやすいです。1日開催ですので、企業の悪い所もあまり見えません(長期間拘束すれば、それだけ企業の良い所も見える一方、粗も見えやすくなります)。そのため、総じて学生の満足度は上がりやすいです。

そのため「業界理解のきっかけ」「就職活動仲間を作るため」などの目的であれば、このタイプのインターンシップには参加する意義があると言えます。逆に「仕事の実態を理解したい」「自分にはどんな能力があるのか見極めたい」といった一段深い目的でインターンシップを探している学生には正直向きません。むしろ不完全燃焼で終わってしまい、モチベーションを下げてしまうだけです。

プロジェクト型インターンシップの実施目的

このタイプは大手企業でもベンチャー企業でも見られます。ですが、両者で実施する目的は若干異なります。

まず大手企業の場合、目的は「優秀な学生の発掘」です。簡単に言えば「目をつけておくための場」です。
プロジェクト型の場合、ある一定の期間、学生と採用担当者が一緒に活動します。企業によっては、人事が丸々数日間インターンシップにかかりきりになることも珍しくありません。逆に、基本的には学生に自由に取り組ませて、一定のタイミング(中間レビュー、最終プレゼン会など)だけ顔を出すというスタイルの企業もあります。

ですが、どちらにも言えるのは、膨大な時間を要するということです。
どんな内容にするのか? 担当者は誰か? インターンシップ参加者の選考基準はどうする? 誰が選考するのか? 会場はどこか? 交通費などの支給は行うのか? 必要な準備物と手配の方法はどうする? 無給での実施は法的に問題がないのか? など、とにかく多くの準備が必要です。そして実際の運営中も様々な事務作業が発生します。更に言えば、会社で予算を組んで実施しているわけですので、当然「学生のために」行っているだけではなく「企業のために」行っている面もあります。それが「優秀な学生の発掘」です。人事も年度の採用計画を使命として持っていますので、当然インターンシップもその一貫です。

ベンチャー企業の場合、その色がより露骨に出ます。たとえばビジネスコンテストのような企画の場合、優勝チームやMVPの学生には内定や選考での優待条件(いきなり最終選考など)などが確約されることもあります。筆者もとあるモバイルベンチャーのビジネスコンテストに参加した時、その賞品の一つに「初年度年俸1000万」というものがありました(内定ではないので、普通に選考は受けるのですが)。また、実際にそのコンテストで優勝できた後は、筆者と他の学生に対する採用担当者の接し方に、かなり露骨な差が出ました。

説明会に出席した時のこと、終了後にエレベーターを待っていると、採用担当者が追いかけてきて「◯◯さんや◯◯さん(インターンシップでお世話になった社員の方々)がいるんですけど会っていきませんか?」と、他の学生の「目の前で」声をかけられました。それくらいベンチャー企業は、学生の囲いこみに躍起になるということです。

このタイプのインターンシップに参加するメリットとしては「仕事を少しは理解できる」「就職活動仲間ができる」「自己分析ができる」など様々なものがあります。また、様々な人と一つのことに取り組む中で、自分がチームの中でどういう立ち位置・スタンスの人間なのかも掴むことができます。これは普段過ごし慣れている環境では、なかなか見えないことですので、非常に嬉しいメリットです。

なお、このプロジェクト型のタイプに参加する場合、なるべく長期間のものを選ぶことをオススメします。理由としては、

  • 会社のことが少しでも多く掴める(長期滞在すれば、それだけ見えるものも多いです)
  • 学べることが多い(期間が長ければ、それだけ取り組めることも多いです)

からです。

筆者がとある印刷会社のインターンシップに参加した時、期間は1ヶ月だったのですが、本当に多くのことを学ぶことができたと思います。題材は「今後流行る化粧品のマーケティング」だったのですが、男性の筆者はそもそも化粧品自体に詳しくありませんでした。そのため、近所の薬局の商品を見たり(今から思えば相当怪しかったと思います)、店員さんに比較ポイントを尋ねたりしました。そして得た知識を様々に分析して最終的に成果物を提出しました。

期間が短いインターンシップですと、ネットや本で調べたりするだけの取り組みで終わってしまうことも多いです。ですが仕事は基本的に泥臭いものです。こうして脚や頭をフル稼働させられるのは、長期のプロジェクト型インターンシップの醍醐味だと感じます。それが「仕事を肌で知る」ことだとも思います。

就業体験型インターンシップの実施目的

これはベンチャー企業に多いタイプのインターンシップです。稀に大手企業でも行っていますが、そこまで多くはありません。それは実施目的に依る所が大きいです。
実施の目的は「労働力の確保」と「優秀な学生の囲いこみ」です。つまり、実質的に「採用を前提に」実施されています。

ベンチャー企業の場合、人手が慢性的に不足しています。また採用にかけられる費用も工数もそこまで多くはありません。そのため採用も基本的にはピンポイントに狙いを定めて行います。
対して大手企業の場合、人手にもある程度余力がありますから、労働力を確保したいとは考えません。そのため、就業体験型のインターンシップを実施する企業は、そこまで多くありません。実施しても、大抵は1ヶ月程度の(このタイプにしては)短期間のものが多いです。特に応募人数がある程度多い企業は、インターンシップを実施してまで優秀な学生の囲いこみには力を割きません。インターンシップの参加者はそこまで多くありません。本選考時の応募者総数からすれば、微々たるものです。そのため、インターンシップに来た学生以上に優秀な学生が本選考で何人も現れるわけです(それでも、1人でも優秀な学生を先に確保したいという思いは当然あるので、実施する企業もあるわけです。要はコストに見合うか否かということです)

このタイプに参加する意義としては、何より「仕事を理解できる」「自分を知ることができる」という点にあります。つまり、働くことで自己分析と業界・企業研究を行えるわけです。特に、学生時代にアルバイトやサークルなどの活動経験がない学生には、自己PRのネタづくりも兼ねられてオススメです。ですが、それ相応の時間が拘束されることを忘れないようにしておきましょう。そして、企業側は「採用を前提に」実施している意味合いが強いので、そのまま断り切れずに就職してしまうというケースも多いです。もし他に目指している明確な企業があるのであれば、その辺りの事情も念頭に入れておきましょう。

  • この記事を書いた人

くまにぃ

1983年福岡県育ち。人材×IT領域の経営者兼投資家。『就活・転職初心者の方、ビジネス力を上げたい方の難易度を下げる』をテーマに発信しています。【経歴】明治大学→学生起業→広告代理店(新卒)→採用コンサル起業→ITスタートアップ起業→一部上場企業へM&A→投資家【実績】年間約1万人参加の就活生向けセミナー実施

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