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海外就職の採用枠ってどんな感じ?〜海外企業で働く先輩に聞こう!就職リアルレポート〜

くまにぃ

この記事は海外で勤務されているS子さんに寄稿していただきました。海外で働きたい就活生や転職者の方の参考になれば幸いです。

海外就職を目指す(もしくは海外就職を控えている)学生のみんなへ。ここでは一足先に海外で仕事をしているワタクシS子が、日本を離れて海外で働きはじめ、「え?!こんなことあるの?!」「そんなの予想してなかった…!」「もっと早く知っていれば!」と思わずつぶやいた、驚きと発見の出来事をセキララにお伝えしていきます。

S子プロフィール

大学卒業後、日本で小売店販売員として3年間勤務。学生時代に旅したアジア諸国の人たちのラテン系なノリと空気感が忘れられず、英語も満足に出来ないままに海外転職を開始。奇跡的に東南アジアの某現地出版社から内定をもらい、編集部員として入社。言語と文化の壁にぶち当たりながらも、持ち前の好奇心と行動力で見事異国に馴染みだし、2年目には旅行会社の臨時スタッフとして日本人ツアー客の引率や通訳を務めるようになる。日本語試験の監督といった海外ならではのアルバイトも経験有。今年海外企業勤務5年目を迎える。

大きな分かれ道、本社採用(海外駐在)or現地採用

海外就職を目指しているみんなは、志望企業の本社がどこにあるかはもちろん調べていますよね。では、自分が応募している枠は「本社採用(海外駐在)」か「現地採用」は調べてありますか。「現地採用っていうからには、現地の国で働くってことでしょう?本社で採用されて、海外に駐在するのとなにが違うの?一緒じゃないの?」と軽視してはいけません。

この違いによって、どの国の法律に基づいて働くかが決まってきます。例えば、年齢も経歴もそう変わらない、本社採用(海外駐在)Aさん、現地採用Bさん。同僚である二人の待遇はこれだけ違ってしまうこともあります。

▽Aさん:本社採用
(海外駐在)住宅手当5万円。車支給。日本出張あり(年に3~4回)。ボーナス年2回。所得税10%

▽Bさん:現地採用
住宅手当1万円。車なし。日本出張なし。ボーナス年1回。所得税20%

なぜこんなに違うのか。それはBさんが滞在国の法律に基づいた雇用契約を結んでいるから。ボーナスが年1回なのも、所得税で20%も天引きされるのも、滞在国の法律で決められているから仕方がない。Aさんに至っては、日本の法律で雇用されているため春夏ボーナスはもちろん、海外駐在手当という別途手当がつき、安全確保のための社用車を支給されたりといった場合もある。

同じオフィスにいても、雇用元が違えばここまで変わってきてしまうことも十分ありえます。

あれ、思ったより休日が少ない。なぜ…?!

これもまた、採用されて働き始めるまで意識しづらいことなのだけれど、海外就職すると休日もその会社が準じている国の休日にならって取得されます。たとえばで、2013年の日本は26日間(有給休暇+公休日)。アメリカは20日間。シンガポールは18日間。カナダだとたったの15日間のみ!ちなみに世界で一番休日が多いのはロシアの40日間。自分がどの国の法律に基づいて働くのか。休日はどの国のものが適応されるのかも、就職してから驚かないよう少し意識しておきたい。

まさか!のことだってありえる  私の知り合いで、まさにこの本車載用、現地採用の落とし穴にはまった日本人がいる。彼女は現地採用でかれこれ3年ほどアジアの現地企業で働いていた。取引先の日本人男性と結婚し、めでたく出産となったとき、企業側から驚きの事実を聞かされた。「産休は出産日の前後60日間。帝王切開だったら75日間。(※2011年当時)」。日本だと産前6週間あたりから産休に入り、産後も育休あわせて1年近くは休職する女性も多いけれど、彼女の働いていた国ではまさかの60日間のみ!しかも出産予定日の前後合わせて60日間というから驚いた。

結局彼女は、あまりの産休の短さに日本帰国しての出産を諦め、滞在国での出産を決意。出産予定日の3日前まで大きなおなかを抱えて働き、産後に備えてベビーシッターを雇い、旦那さんの協力も得ながら出産後1ヶ月足らずで職場復帰した。

まさか、とは思うが、現実にこんなことも起こり得る。もし彼女が本社採用で日本の法律に準じることが出来ていたら、企業もまた違った対応をしてくれていただろう。

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  • この記事を書いた人

くまにぃ

1983年福岡県育ち。人材×IT領域の経営者兼投資家。『就活・転職初心者の方、ビジネス力を上げたい方の難易度を下げる』をテーマに発信しています。【経歴】明治大学→学生起業→広告代理店(新卒)→採用コンサル起業→ITスタートアップ起業→一部上場企業へM&A→投資家【実績】年間約1万人参加の就活生向けセミナー実施

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