
この記事は私が実際に海外で勤務されている方にヒアリングをおこなって作成しています。海外で働きたい就活生や転職者の方の参考になれば幸いです。
ここではフランスにおける実際の就職活動のしかたをご紹介したいと思います。日本と同じで、まず求人情報を探して、応募、面接を経て採用に至るというのが基本的な流れですが、応募時の必要書類等、若干異なることもあります。
まず一般企業への就職を希望する場合、日本同様求人情報サイトや新聞等に掲載されている求人広告に直接応募することから始めます。求人情報サイトでは、サイトへの登録後履歴書をアップしてオファーを待つこともできます。日本のハローワークに当たる、pole emploi と呼ばれる機関に登録すると、定期的に行われる担当者との面談を通じて就職活動の進捗状況を確認し、問題点があれば改善するためのさまざまなアドバイスを受けることができます。
また、履歴書や志望理由書の書き方、面接など、テーマ別に無料で研修を受けることもできます。ただ私の場合、自己分析はできていたうえ応募書類の作成にも問題はなかったので、研修で何かを学んだり、面談で担当者から有益なアドバイスをもらえるということはなかったです。とはいえ、人によっては就職に必要な資格・技能取得のための専門学校や職業訓練所への登録費用を一部負担してもらえることもあるようなので、めざす職業が具体的に決まっている人には役に立つ機関だと思います。
さて、実際に海外で求人情報に応募するにあたり注意しなければならないのが、提出書類の形式が国により異なるということです。日本では基本的に履歴書の形式は決まっているうえ、市販のものに手書きで記入することも多いと思います。フランスには記入形式の履歴書は存在しないので、自分でPDFやワード形式のものを一から作成します。
記載する内容は、
- 履歴書のタイトル(エンジニアのポストに応募するなら「エンジニア」と大きく書く)
- 名前・住所等個人情報、顔写真(人種差別等の理由から必須でないこともあり)
- 能力・専門知識(自分ができることを具体的に箇条書き)
- 学歴・資格
- 職歴
- 趣味
など、と日本の履歴書とおおむね同じですが、これらをA4の紙1枚にまとめなければなりません。
ここでひとつ注意しなければならないのが、学歴や職歴は「年月の新しいもの→古いもの」の順に書くということです。また通常職務経歴書を求められることはないので、少ないスペースで職歴と専門技能・知識などを簡潔に紹介することが必要です。
以上のことに注意して必要事項をもれなく記入すれば、背景色や書体など、自分だけの履歴書に自由にアレンジすることができます。また志望動機や希望する事柄などは日本では履歴書に入れる要素ですが、フランスでは通常履歴書と一緒に送る志望理由書に記載します。
その際、フランスで正しいとされる公的な手紙の書き方を、社会人としてしっかり押さえておくことも必要となってきます。履歴書と志望理由書ができれば、あとは求人情報に記載されているメールアドレス宛に送付します。郵送のこともまれにあるようですが、私が見た限りではメールでの送付が大半なようです。
最後に、フランスでは特に求人がなくても自分が働きたいと思う企業に自発的に履歴書や志望理由書を送る、ということが非常に多いです。
そもそも求人の数自体とても少ないので、インターネット等で働きたいと思う企業を探し、ホームページに記載されている問い合わせ先のメールアドレス宛に履歴書をどんどん送ります。私自身、求人広告に直接応募した数よりも、求人がなくても自分から履歴書を送った企業の数の方が断然多いです。もちろん返事をもらえることすらまれですが、数ヶ月後に求人がでた時に連絡が来るということもあるようです。
このように応募書類・方法ひとつとっても国によって異なるので、書類や応募方法が不適切だったことが原因で不採用になることがないよう、事前にきちんと調べ、間違いのないようにしたいものです。