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【体験談】フランスでの海外就職の語学力や実務のリアル

くまにぃ

この記事は私が実際に海外で勤務されている方にヒアリングをおこなって作成しています。海外で働きたい就活生や転職者の方の参考になれば幸いです。

得意な語学をいかしたいから、という理由で海外で働きたいと思っている人も多いのではないでしょうか。確かに、海外で仕事をするにあたり語学力は必要不可欠ですが、その一方でそれだけでは不十分だということも認識しておいたほうがよいと思います。

私自身、まわりの求職中の在仏外国人と話をしていて痛感するのが、ネイティブでないというだけで選べる職種が限定されてくるということです。日本の企業から駐在員として派遣されてくる場合は別ですが、現地で就職活動をする際に重視されるのが、ビジネスレベルの語学力に加えいかに専門的な技術・知識、またその分野における経験を持っているかということです。

私の住む街は規模で言えば中くらいですが、県内に数社ある日系企業の求人情報は常にチェックしています。そのなかのひとつの日系自動車部品メーカーに関していえば、求人があったとしても技術者等専門職での募集が大半なうえ、通訳のような語学をいかしたポストでもなければ、日系企業とはいえ基本的に現地の人を採用しているようです。私は文系学科出身で一般企業の総合職を経験していますが、現地でいかせる資格、専門技術・知識がないことが就活の際大きな弊害だと感じます。日本でも第二新卒以降即戦力となる人材を求めるのと同じで、求人情報には職種別に必要な資格や経験年数が必ず明記してあり、未経験可の求人はほぼ皆無です。

さらに、これはフランスだけではないと思いますが、昨今の経済危機の影響で失業したり、パート・アルバイトでしか働けない現地人も多くいるなかで、何か専門技術・知識があったとしても、よっぽど何かメリットがなければ外国人をわざわざ雇用する企業などないというのが現状です。私の知り合いのキューバ人の女性は、自国にいたときはエンジニアとして仕事をしていたものの、結婚を機に渡仏してからはエンジニアとしての仕事が見つからず、現在は高校でスペイン語の非常勤講師をしています。

このように、海外で仕事を見つけるには語学力と実務でいかせる専門技術・知識の有無に加え、その国の経済状況(=そもそも仕事があるかどうか)を事前にしっかり把握しておくことも必要になってきます。日本語が話せるということはある意味専門技術ですが、語学講師になるにしても、そもそも日本語を教えている教育機関や語学学校の数自体とても少ないフランスで、講師としての仕事を見つけるのは至難のワザです。

また、エージェントに登録するなどして翻訳者になることもできますが、英語をはじめとするヨーロッパの言語に比べ日本語は需要の多い言語ではないので、それだけで生計を立てるのは現実的ではないです。

と、なんだかネガティブな話ばかりになってしまいましたが、現地採用、それも正社員をめざすなら、現地語が得意なだけでは不十分だということ、さらに資格、専門技術・知識があっても必ずしも採用されるわけではないということを、きちんと認識しておく必要があります。 ただし、これはあくまでもフランスの話です。

ほかの地域、特にアジアでは国によっては経済状況が比較的よく、高度な専門技術・知識を持った外国人を積極的に採用している企業もあると聞きます。これらの国では逆に、たとえ現地語ができなくても英語ができれば仕事をするうえで特に問題はないという場合もあるかもしれません。このように、どの専門技術・知識を持つ人材をどの国が必要としているのか、要は需要と言う観点から考えれば、自分の能力をいかして活躍できる国が見つかるかもしれません。

  • この記事を書いた人

くまにぃ

1983年福岡県育ち。人材×IT領域の経営者兼投資家。『就活・転職初心者の方、ビジネス力を上げたい方の難易度を下げる』をテーマに発信しています。【経歴】明治大学→学生起業→広告代理店(新卒)→採用コンサル起業→ITスタートアップ起業→一部上場企業へM&A→投資家【実績】年間約1万人参加の就活生向けセミナー実施

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