
この記事は私が実際に商社に勤務されている方にヒアリングをおこなって作成しています。大手商社や4大商社を志望する就活生の方の参考になれば幸いです。
まず、商社の実際の仕事場の雰囲気・働き方などを中心にお話します。
「商社」と聞くと、華やかで、カッコ良く、世界を股にかけ活躍する・・・そんな仕事を想像する人も多いと思いますが、実際はその真逆です。
商社によっても、「専門商社」か「総合商社」か、そして財閥系であるか、ないか、そして部署によっても、その雰囲気は大きく異なる為、一概にこれだと断定は出来ないですが、実際は地味な作業が多いことは間違いありません。華やかな部署は極限られた一部の部署のみの現状。
実際は、体力勝負である事や営業職のように交渉また交渉と追われる日々。
当然、海外とのやり取りが多いため、担当する国で、日本との大きな時差が生じる場合、夜でも深夜に及ぶ事も稀ではありません。大抵の場合、日本とは時差が生じているので、夜が遅くなるのは多いでしょう。
また、古くからの企業が多い為、実際は年齢層は高め。結果、古くからの”お付き合いの仕方”というのが、様々な場面で見られます。
時には、あまり最近では見かけなくなった、接待や休日のゴルフなどの対応は、部署によっては多く見られる光景です。
海外の商品を扱う事が多いですが、実際は外国の方は多くいらっしゃいません。先程も述べたように、古くからの企業の為、雰囲気は老舗企業とあまり変わらないイメージに近いでしょう。
ですので、華やかな雰囲気を夢見て入社される方は、まず、その雰囲気の違いに愕然となるケースが多々あります。
ただ、老舗企業とは違う点は、やはり「海外視点」の方が多いという事。
もちろんの事ながら、英語を話せる社員の割合は他の企業と比べて多いです。海外の大学出身であるとか、海外留学をしていた等と言う方も多いのもよく見かける光景の一つ。その為、グローバルな視点で会話や仕事を進めることが出来る為。海外志向の方には、面白い業界だと言えるかもしれません。
逆に安定的志向の方には、馴染むのに難しい業界だと言えます。先に述べたように、退社時間が遅いのは多くある事。時には接待もあり、ワークライフバランスや、時間や生活に余裕を持って時間を過ごすのは大変厳しい現状があるからです。
また、海外転勤・海外出張は頻繁に発生します。
女性の働き方も様々です。未だに「総合職」と「一般職」に分かれているケースが多いですが、近年は、一般職は派遣の方が多く在籍されています。総合職の女性は、男性と分け隔てなくお仕事をする傾向にある為、キャリア志向の女性には向いていると言えるでしょう。
では、なぜ皆はそれほど時間的にも、体力的にも大変である商社を目指すのか?実態としては、華やかなイメージだけを持ち、漠然とした感覚で入社するケースが多いからです。実際、商社って何?と聞かれて、一般の方でも答えにくい内容ですが、商社で働く者も、きちんと答えることが出来る社員は多くはありません。
各個人の意識の持ちようではありますが、何か「誇り」めいた物を持って仕事をするには、少々商社では厳しい現状があります。
商社とは、海外並びに国内の商材を扱い、販路の拡大に努めます。その為、メーカーのように、苦労をして物を作りし、お客様に手にとって頂けた時の喜びや、人材ザービス業のように、人をサポートして喜んでもらえた時の気持ちを味わうことなく仕事をするケースが多いのが現状で、何を「誇り」に持ち仕事をしていくのか?というテーマが乏しい為、常に確固たるモチベーションを持って仕事をするには商社は厳しい業界である事が言えると思います。そして、同じ様な思いを抱いて働いている社員は少なくありません。その現状で仕事をしていくうち、実際他では通用しないと言われる企業人が多く育っているのも、商社の現実です。