
この記事は私が実際に銀行に勤務されている方にヒアリングをおこなって作成しています。銀行を志望する就活生の方の参考になれば幸いです。
休日の話
9月や3月の繁忙期においては、稀に休日出勤を言い渡されることもありますが、基本的に休日出勤はありません。
そのため銀行員は休日を好きに過ごすことができます。ただし支店や部署によっては休日に集まってバーベーキューや花見、野球大会と言った行事を行うところもあります。
休日まで会社の人に会いたくないと思いますよね。しかしこういった行事には、できるだけ参加しておいたほうがいいでしょう。昇進したいならなおさらです。付き合いが悪いとそれだけで「あいつはダメだ」となってしまい、上司の同期コネクションにより貴方に対する低い評価が広まってしまいます。そうなると、転勤した先でも「あいつは…」と言われてしまうので、行事にはなるべく参加し「付き合いのいい可愛い部下」を演じておきましょう。 上司に対して不満があってもその場ではニコニコとやり過ごし、あとで同期に対して愚痴る、銀行員はこの繰り返しです。ドラマ「半沢直樹」のように上司に対して率直な怒りをぶつけることができればいいのですが、実際のところあのようなことはできません。ある程度の地位と周りからの信頼を得た状態であれば「半沢直樹」は可能かもしれませんが、新人のうちにアレをしてしまうと、待っているのは「出向」あるいは「自主退職」です。半沢直樹にあこがれるのもいいですが、あれはドラマであることを肝に据えておきましょう。
銀行員同士の話
銀行員同士の結婚はもちろんOKですが、その場合、どちらかが辞めなければいけないという暗黙の了解のある銀行が多いです。
そもそも銀行員に転勤が多いのも「同じところで何年も居続けて、顧客と癒着し不正を働いてはいけない」という考えがあるからです。
筆者の勤めていた銀行では、この話にまつわる都市伝説がありました。
「銀行員同士が結婚した夫婦が、ある日莫大な額の融資を顧客の口座に入金せず、自分たちの口座にいれて、その日のうちにトンズラした。嫁が偽りの伝票を書き、その伝票にOKしたのが夫だったからできたことだ」という話です。
もちろんタチの悪いジョークなのですが、これは「仲のいい銀行員同士を同じ場所に置くと不正が起こる」ということの暗喩でもあります。 このことから銀行員同士結婚するときは、どちらかが辞めるという暗黙の了解があるのです。銀行によっては片方を他支店に移すことでどちらも続けて勤務可能という場合もありますので、そこは銀行に従いましょう。
社宅の話
ドラマ「半沢直樹」において、半沢の妻として「花ちゃん」が登場します。そしてこの花ちゃんがたびたび召集されているのが、社宅の妻たちの会です。実際こんなに銀行員の妻同士集まらないでしょう?こんなにネチネチしていないでしょう?そう思った貴方、甘いです。
筆者は社宅に入ったことがないので実体験ではないのですが、知り合いに実際この「社宅地獄」を経験した方がいました。
社宅では夫である銀行員の役職が、そのまま妻の格付けになります。偉い上司の妻は偉い、平社員の妻の地位は低い、そして地位の高い人間は下の人間をどう扱っても構わない、この恐ろしいヒエラルキーが実際に社宅で展開されるのです。
この悪しき風習は、転勤にともない新しくきた上司の妻が「こんなの辞めましょう」と言うまで続いたそうです。もちろんそんな社宅ばかりではありませんが、こういった社宅地獄は実際にあるということだけは覚えておきましょう。わずらわしい人間関係に巻き込まれたくない人は、社宅に住まないのが最善です。
派閥の話
ドラマ「半沢直樹」が描く世界は過激なところもありますが、実際「あるある」という部分もあります。派閥もそうです。ドラマほど露骨な「派閥意識」を経験したことはありませんが、実際、新入社員でも「ああ、あの人は旧○○のひとだ、あのひとは××のひとだ」と分かるほど、出身銀行によって気質が違います。
旧○○の人間だから、旧××の人間だからといって、露骨に派閥争いをする場面はほとんどありません。ですが、やはり同行出身同士の仲間意識というものはあるようです。どのような場であっても、どちらかを誉めてどちらかを貶すようなことだけはしないようにしましょう。「旧○○の先輩だと思って旧××の悪口を言ったら、実際その先輩は旧××の出身だった」という恐ろしい事態もあり得ます。人の悪口は言わない、新入社員ならなおさらです。つねに笑って人のいいところだけを称えておくことが、新入社員の活路を開くカギです。 なるべく生きやすい職場にするには、貴方が周りに気を使うことが一番の近道です。