
この記事は私が実際に銀行に勤務されている方にヒアリングをおこなって作成しています。銀行を志望する就活生の方の参考になれば幸いです。
現場に入ったら
研修が終わって現場に入るとき、なにが一番大切だと思いますか?
あいさつ?みだしなみ?それももちろん大切です。しかし銀行の新入社員にとって、一番大切なのは「だれよりも早く出社すること」です。
銀行は大切な書類や顧客情報を金庫に収納しています。それらを業務で使うにあたり、毎日出してくる必要があるのです。
新入社員時代はまず、金庫のものを出して、決められた場所に設置することが仕事になります。毎朝確実にこなしましょう。据え置き型のキャビネットも厳重にカギがされています。開けるキャビネットと開けなくていいキャビネットがあります、先輩方に確認して、確実に開けておくようにしましょう。
その他、支店や部署によってはそれぞれ決まった「朝の用意」があります。こんなことまでしなければいけないの?と思うこともあるかも知れません。疑問に思っても、口には出さずにやりましょう。一見不要に思えることも、その支店や部署にとって代々続いてきた大切なことである場合が多いのです。新入社員は言われたことに「はい」と答えて、テキパキやりましょう。
朝の準備ができていなかったり、忘れていると「あの新人使えない」となります。
教えられた準備はメモをとり、忘れないように自分なりのチェック表を作っておくといいでしょう。
同様に、就業間際の片付けも率先してしなければいけません。朝出してきたものを金庫に片づけて、キャビネットを閉めます。
銀行は重要な書類を万が一にも廃棄しないために、その日に出た紙ゴミを数カ月保管しておきます。そのため全員分の紙ゴミをあつめて専用の箱に入れ保管する仕事もあります。そういった些細な仕事も率先して行いましょう。
新入社員は知識や経験が薄いので、できる仕事も限られてきます。力仕事やだれでもできるカギ開けなどは、必ずするようにしましょう。
これらの仕事を先輩にやらせてしまうと、先輩達の目がどんどん冷たくなります。先輩が出社するより早く職場について、準備を完了させ、全員に余裕を持って「おはようございます」と言えるよう、心がけましょう。 この「朝の仕事」を怠ったがゆえに周りの冷たい視線にさらされ、いつの間にか会社に来なくなった同期もいるくらいです。できることからこつこつと、それが職場の信頼を得る一番の近道なのです。
お局様に気をつけろ
現場に入って、仕事を覚えるのは何より大切なことですが、次に大切なことがあります。
それは「お局様」を見極めること。
銀行は一支店、一部署につき、少なくとも10名は人間がいます。多い部署では100名を超えるところもあります。
部長、副部長、課長、次長、主任、いろいろな役職の人間がいますが、そのなかで一番警戒しておかなければならないのが「お局様」です。もちろん「お局様」などという役職はありませんから、名札や名刺を見たところでわかりません。
ですが筆者の経験上、銀行で一番発言力と権力を持っているのは「お局様」です。
部長なのにその人にだけはヘコヘコしている、次長なのにその人にお伺いを立ててから発言している…、もう分かりますね、その人「お局様」です。
銀行は男性の転勤は多くありますが、事務職である女性はあまり異動することがありません。たとえしたところで、近畿であれば近畿圏内、四国であれば四国の中といったように近場です。それゆえ古くからその地区を知る女性として、年配の女性は「お局様化」していくのです。
お局様にもいろいろなタイプがいます。仕事ができるうえに発言力もあるお局様、無駄に口だけは大きいが、仕事はたいしたことのないお局様。もちろん注意するべきは前者です。後者のタイプのお局様はどれだけ大声で訴えようと周りに聞いてもらえないことが多いので、たとえ貴方を悪し様に言ったとしても「またか」と放置されるだけでしょう。
しかし前者のお局様は違います。仕事ができて発言権もあるお局様に嫌われてしまうと、お局様の一言であなたの評価がガクッと下がってしまうのです。
お局様はある意味現場に一番密着している上司ですから、その人に嫌われてしまうと仕事がしづらくなってしまいます。
お局様を見極めたら、その人に頼まれた仕事だけは絶対に何があっても断らないようにしましょう。
お局様を味方につけるためには、とにかく仕事を早く覚えて、職場に貢献することです。貴方の頑張りは絶対に見てもらえています。したことのない業務でも、率先してやってみましょう。そうすることで貴方自身のスキルも上がりますし、職場の評価もあがります。
ある程度仕事を覚えて心に余裕が出来たら、お局様のお話をしてみましょう。お局様に対して絶対の信頼を置いています、というのを態度で示すと、お局様もあなたを気に入ってくれますよ。 できるだけ職場で円滑な人間関係を築くためにも、お局様を見極め、そして認めてもらうことが大切なのです。