
選考が始まると、何通も履歴書やエントリーシートを作成しなければならなくなります。それに伴い履歴書の原本は勿論、写真も必要になり、何かと出費がかさみます。そのため、履歴書を自分で作成したり、証明写真の画像データを用意して張りつけたり苦慮する就活生もいます。しかし一方で「それはマナーとして大丈夫なのか?」と二の足を踏んでしまう就活生もいることでしょう。
今回は、そんな履歴書やエントリーシートを作成する上での基本的なマナーを押さえておきたいと思います。
1.履歴書は市販の物でも自分で作成しても構わない
まず履歴書は、自分で作成したものを用いても構いません。企業指定のものがある場合には勿論それを用いる必要がありますが、特に指定がなければ基本的に自由です。
なお、自作の履歴書を印刷する際ですが、普通のA4用紙(いわゆる普通紙)で問題ありません。固めの紙でも勿論大丈夫ですが、値段も高いので普通紙がオススメです。
なお履歴書を自作する際ですが、必ずバランスの良い履歴書にしましょう。
自己PRの欄がやけに広く、志望動機の欄が狭いなど、バランスが悪い履歴書はそれだけで悪印象ですし、通過率も下がってしまいます。また、連絡先など必須の欄を削って他の欄を広げるのもNGです。全体のバランスを取ることを意識しましょう。
2.写真はデータではなく現物が無難
写真はデータでも構わない企業もありますが、大抵の企業は写真を求めます。理由は企業によるのでしょうが、なぜか「データ」よりも「現物」の方が好まれる傾向が強いです。「履歴書をメールで送付して下さい」など、そもそもデジタルデータとして履歴書の提出を求められた場合を除いて、証明写真を貼付しましょう。
その際、スピード写真機と専門の写真屋のどちらが良いのか気になるのではないでしょうか。結論どちらでも構いません。ビジュアルが重要視されるCAやマスコミでもない限り、どこの企業もスピード写真で十分です。余談ですが、筆者は骨格の問題もあって写真映りが悪く、必ず顔のパーツが左右非対称になってしまいます。ですが、普通に駅のスピード写真機の写真でどこの企業も問題ありませんでした(最終的な内定先や外資コンサルや総合電機メーカー等でした)
重要なのは写真ではなく、経験や志望動機です。いくら写真にお金をかけた所で、自己分析と企業分析が不足していれば、当然書類選考は突破できません。写真はあくまでも本人確認用の資料程度の認識で問題ありません。綺麗な写真を撮ることに時間をかけるくらいなら、1社でも多く企業研究をした方が有益です。
3.履歴書の手書きはできれば控える
手書き指定の場合は別ですが、どちらでも構わない場合は、できればパソコンで作成しましょう。その意味でも自作の履歴書データを持っておくことを筆者個人としてはオススメします。
よくセミナーなどでは「手書きで熱意を伝えよう」と教えるようですが、履歴書を手書きした程度の熱意で採用担当者の心証が大きく変わることはありません。ビジネス文書を手書きすることはまずありませんから、手書きで物事を巧く伝えるスキルも、あまり求められません。
また手書きの場合、知らない間に癖が出てしまい、相手が読めない可能性もあります。よく「1」を「7」と勘違いしてしまう等の誤読がありますが、そうしたミスで損をしないためにも、誰もが無難に読めるパソコンで履歴書を作ることをオススメします。
4.修正液や修正テープは御法度
手書き必須のESの場合、時に書き間違えてしまう場合があるかと思います。その際、修正液や修正テープは使わず、面倒でも一から書き直しましょう。履歴書は私文書ですので、修正・訂正をしてはいけません(私文書は修正・訂正NGです。私文書とは何かについては割愛します)
何らかの理由でどうしても今ある履歴書を修正しなければならない場合、該当個所に赤二重線を引いて訂正印(シャチハタ不可)を押した上で、改めて訂正内容を記載しましょう。
5.正式名称を用いる
履歴書には資格や学校名などを記載する欄がありますが、必ず正式名称を書きましょう。略称では理解されないケースもあり、学校等は同じ名前が県立と私立の両方で存在することもあります。そこまでないと思いますが、人によっては通じないケースもあります。
資格であれば、たとえば自動車免許は「普通自動車第一種運転免許」、英検は「日本英語検定」などといった具合です。学校名であれば「東京都立●●高等学校」「神奈川県立●●高等学校」「市立●●中学校」といった具合です。必ず正式名称で記載することを意識しましょう。

以上、履歴書を書く前に押さえておきたいポイント5つになります。これくらいを押さえておけば問題ありません。後は具体的なアピール内容を徹底的に詰めていきましょう。