
前回はビジネスメールのタイトルについて考えてみましたが、いくらタイトルで目を引いても本文が伝わりやすく書いていないと読んでくれません。そこで、タイトルの次に重要な本文について説明します。
ビジネスメールの本文というと、丁寧な堅苦しい挨拶から始まるようなイメージを持つかもしれません。しかし、ビジネス文書と違ってメールの場合は、ビジネスマナーを守りつつ、シンプルに書くということが求められます。具体的にどのような書き方をするのか考えていきましょう。
本文の出だしはシンプルな挨拶でOK
ビジネス文書の書き方では、『拝啓』で始まり、『秋も一段と深まり・・・』といった時候の挨拶など数行の典型的な書き出しがあります。これをビジネスメールにも書いてしまうと、どうなるでしょうか? 1回目にも書きましたが、メールは読み飛ばすのにスクロールする必要が出てきます。1通や2通のメールなら、特に問題にならないかもしれませんが、あちこちで名刺を配っていると何十、何百とメールが届くようになってきます。スクロールするのも面倒になってくるので、読み手のことを考えると長い挨拶は必要ありません。
ビジネスメールの場合は、『いつもお世話になっております。○○社営業部の佐藤です。』といった挨拶だけで十分です。名刺交換して最初に出すメールであれば、『先日、名刺交換をさせていただいた○○社営業部の佐藤です。』とすればいいでしょう。
ビジネスメールはポイントを最初に書く
シンプルな挨拶の後は、メールの要点を簡単に書いておきます。なぜそんなことが必要なのかというと、先にも書いたようにスクロールしなくても重要度を判断してもらうためです。
例えば、伝えたいことが3つある場合、順番に説明して書いていると、最後までスクロールしながら読んでいかないと3つの内容が書かれているということが分かりません。急いでいる場合は、最初のところだけ読んで、長いメールだから後回しにされることもあります。その結果、ひょっとしたら相手にとっては緊急で重要な3つ目の要件が伝わらず、大きな問題になることがあります。 具体的には、このような書き方をします。
いつもお世話になっております。
○○会社営業部の佐藤です。
今回、下記3つのことについてご確認いただきたく、メールしました。
1)秋モデル納品予定日程について
2)冬モデルの発注期限について
3)3周年記念モデル販売について
まず、一つ目の秋モデルについてですが・・・
こう書いてあれば、どれを優先して読まなければならないのか、場合によっては、今すぐに返事を書くべきかどうかといったことを分かってもらうことができます。
このような書き方は、メールだけでなく、いろいろなシーンに応用できます。就活で企業とのやりとりに取り入れれば、デキる学生と評価が上がるので、ぜひやってみてください。 ちなみに、記者会見を見ていると、記者が質問するときは、必ず「○○新聞の佐藤です。3点、質問させていただきます。」と言ってから複数の質問をしています。こういうプロの技は真似するといいですよ。
返信は相手に合わせるのが基本
メールの返信の場合には、どんなことに心がければいいと思いますか? 相手から質問されたことに答えるのは当然ですが、その時の文章の書き方には、ちょっとしたコツがあります。友達とのメールであれば自分らしい言葉で書けばいいのですが、ビジネスメールでは基本的に相手の書き方に合わせるのが基本です。
メールの文章は、人によって文章は千差万別です。堅苦しい表現を好む人、砕けた表現で書いてくる人、テレビで話題になっていることを最後に書いてくる人など、実にさまざまです。それは個性でもあり、その人の好みや慣れなので、返信をするには相手の文章に合わせることがスムーズにコミュニケーションする方法です。 面と向かって話をしているのなら、言葉のテンポや表情など相手に合わせますよね。
それと同じで、メールの場合は相手が見えないからこそ、文章の書き方に合わせることが重要になります。最初は難しいかもしれませんが、短い文章が多いのか、長い文章が多いのか、丁寧な表現なのか、フレンドリーな書き方なのかといったことを意識して読んでみましょう。
それを意識できるか、できないかだけでも返信メールの文章は違ってきますし、相手との距離が縮まります。

今回は、メールの本文について考えてみましたが、基本はコミュニケーションなのでいかに分かりやすくするか、相手が親しみやすくするのかがポイントです。そのことを意識することが大事です。
次回は、ビジネスメールだからこそ知っておくべきメールの機能CCとBCCについて説明したいと思います。