
インターンシップは参加して終わりではありません。何かしら目的意識をもって参加した以上、その目的を達成できたのかきちんと振り返ることも忘れないようにしましょう。インターンシップは「やっておしまい」のものではありません。
インターンシップ終了後に意識すべきこと
インターンシップに参加した目的は達成できたのか? 参加して気づいた会社の特徴や社風の整理、学んだことの復習など、やるべきことは意外に多いです。ですが、他社のインターンシップや就活準備の時間、学業やアルバイト、サークルなど、就活生は多忙です。ですので、今回はインターンシップ終了後に最低限押さえておきたいポイントに絞ってみたいと思います。
参加した目的を全うできたか振り返る
まず最優先ですが、参加するに際して何かしら目的を持っていたかと思います。それが達成できたのかをきちんと振り返りましょう。
もしできていれば問題ありませんが、できなかったら、なぜできなかったのかきちんと確認します。そして、次のインターンシップや就職活動の中で、そこを意識して行動していきましょう。
特に自己成長(リーダーシップを磨く、積極的に発言する姿勢を身につける等)を目標としていた人は、参加前や参加中よりも、参加後のこの段階が最も大切です。インターンシップは長いとは言っても大抵3〜5日から1ヶ月くらいまでが一般的です。その短期間で劇的に変わる人は極めて稀です。大切なのは、インターンシップで掴んだ自分に足りない要素を自覚して、それを補う努力をその後もしっかり続けていくことです。
その意味では、インターンシップとは「自分を磨くための場」であるのは勿論、「自分を客観視する場」であるとも言えます。周囲の学生や同席している社会人と比べて、自分には何が足りないのか、それを確かめられるのもインターンシップの利点です。
なお、就業体験型の場合は、大体3ヶ月から1年近くと長期に亘るものが大半です。その場合、インターンシップ終了まで時間を開けて振り返ってもあまり意味がありません(大半のことを忘れてしまっているため)。そのため、たとえば2週間や1ヶ月など特定のスパンで区切って活動を振り返るように癖をつけておきましょう。
参加者の自分の印象(強み/弱み)を振り返る
ワンデーなどではなく、一定期間を要するインターンシップの場合、自分の印象について参加した学生に尋ねてみるのも良いでしょう。
就職活動では、自分を客観的に把握することが大切です。それは「自分の強み/弱み」を知るためです。
なぜなら、企業がアピールとして求めていることの1つが「その学生の強みは何か?」「それをウチの会社でどう活かせるのか?」といった、強みに関することだからです。ですが、自分のことを自分一人で分析していても、それはなかなか見えてきません。なぜなら「強み」というのは、学力のように偏差値や点数で数値化できるものではないからです。
たとえば、自分では「発想力が自分の強み」だと思っている学生がいるとします。ですが、自分ではそう思っていても、就活生全体から見た場合、その学生の発想力が上から10番目なのか、10000番目なのか、下から5番目なのか、自分一人では分かりません。自分は他の学生と比べてどういった部分に強みがあるのか、それを知るためには周囲の視点が必要となります。
インターンシップは一定期間、多くの学生と交流をします。その際、自分の様々な面が相手に見られることになります。初対面ということもあるため、純粋に「他人が感じる自分の強み」を訊き出しやすいです。
この時、ただの感想では意味がありません。たとえば「明るい」「元気」「話しやすかった」「声が小さかった」などです。必ずインターンシップのプログラムの中で、自分はどう貢献できていたのかという視点で振り返りましょう。インターンシップは仕事の疑似体験です。つまり仕事の中で発揮できる「強み」を把握する絶好の機会です。
逆に「弱み」も同様です。仕事の中で露呈しやすい弱みを掴むことも大切なことです。たとえば「すぐ感情的になる」学生の場合、それが応募先企業の求める適性と合致しなければ、どう補う努力をしていくのかが重要なポイントになります。それを知るために、インターンシップは非常に有益です。
社員から自分(たち)の印象を振り返る
一定期間を要するインターンシップの場合、終了後や途中に交流会のような場が設けられていることが多いです。会社説明会での座談会のようなものもあれば、打ち上げのようなケースもあります。
会社について質問する座談会形式では難しいですが、ある程度気軽に会話できる場があれば、ぜひ社員の方に自分自身(あるいは自分が所属していたチーム)の印象を尋ねてみましょう。学生から見た場合と社員から見た場合では、大体異なる答えが返ってきます。
社員の場合、インターンシップ中は就活生を「採用するに値するか否か」というビジネス的な視点から見ます。つまり、訊き出せる印象は「就活生としての魅力や弱点」ということになります。つまり、社員の方が教えてくれた「魅力」は、他の就活生よりもあなたが強みとして持っているものであると言えます。他の就活生よりもあなたが光ることのできる素養です。
ですが、参加している他の学生と違い、社員は常時あなたを見ているわけではありません。そのため、これはあくまでも参考程度の情報にしておきましょう。
社会人の振る舞いや考え方の基本を振り返る
インターンシップに参加中は、当然ですが「社会人」と触れ合うことになります。そこで、社員の人を見ていて気づいた振る舞いや考え方について振り返っておきましょう。
インターンシップ中は、様々な社員の振る舞いを目にすることができます。プログラムについて説明している社員からは、プレゼンの時に意識していることが掴めます。配布された資料からは、理解しやすくする上でのコツが掴めます。質問すれば一緒に会話できますから、どんなコミュニケーションをするのか知ることができます。そうして振り返った社会人としての基本は、就職活動の中でも役に立ちます。たとえばプレゼンのコツは面接に応用できます(面接をするのは社会人ですから)
もし可能なら、社員に直接そうしたことをヒアリングしてみるのも良いでしょう。
他の学生の振る舞いについて振り返る
一緒に活動した仲間の振る舞いについて振り返るのも非常に意義のあることです。
ある学生に社員の目が集まっていれば、その学生の振る舞いを観察することで、その企業(ひいては社会人)の興味を惹く人材の特徴が見えてきます。それを真似するなり参考にするなりして自分の不足を埋めていくことで、企業の求める人物像に近づいていくことができます。
参加者の企業に対する印象を振り返る
少し余談になりますが、インターンシップ先の企業が志望先であれば、ほかの参加学生の企業に対する印象を振り返るのも良いでしょう。自分一人よりも他人の視点を入れた方が、企業を様々な角度から見ることができるようになります。
そうして企業を見る目を養う(=企業を見る視点を多く持っておく)ことは、就職活動全体を通じて非常に有益です。

以上、ざっくりとではありましたが、インターンシップを終えた後に振り返るべきポイントについてお伝えいたしました。学んだこと、気づいたことを、次のインターンシップやアルバイト、サークルなどの日常生活で活かすことで、一歩ずつですが着実に成長することができます。この「目標を持って取り組み、その反省を論理的に分析し、次に活かす」というサイクルは、社会に出た後に必ず誰もが求められるものです。学生時代から癖をつけておくことをオススメします。