インターンシップ

【2022年版】インターンシップのタイプ別目的と攻略法

くまにぃ

インターンシップには、セミナー型のものや与えられた課題にチームで取り組むプロジェクト型のものなど、様々なタイプのものがあります。そのタイプごとに企業の狙いが違いますので、当然学生側が意識すべきことも異なってきます。
今回はタイプ別にどういった点に注意すれば良いのか、そのポイントをざっくりですがお伝えできればと思います。なお、タイプ別のインターンシップの特徴などについては、別の所で説明しております。そちらも合わせて、ご参照下さい。

セミナー型インターンシップ

業界・企業研究のセミナーをインターンシップと銘打って開催します。基本的に1日開催のものが多いです。

セミナー型インターンシップの実施目的

企業側の意図としては「認知度のアップ」と「評判づくり」の意味合いが強いです。実施回数も多く、また参加者総数も多いため、選考に直結することはまずありません。

セミナー型インターンシップの攻略法

自分から積極的に質問する、疑問を持つようにする

何か物事に取り組む際、受け身では基本的に腹落ちしません。「自分はこう考えていたけど、実際にはこうだった」という認識とのギャップや「自分はこう考えていたけど、やはりその通りだった」という納得感がないと、知識は定着し難いです。この「ギャップ」ないしは「納得感」を持っておくことが、物事の理解・定着の程度を大きく左右します。過去の思い出を振り返る時、強く記憶に残っている出来事は大抵、こうしたギャップや納得感がフックになっていると思います。よく言う「恥ずかしい経験は忘れない」「嫌なことはいつまでも覚えている」ということです。

それを利用して、セミナーの内容を効果的に理解・定着させるためには、自分から積極的に意見を発信することが肝要です。そうすれば、ほぼ確実に忘れません。一発で質問に対する回答内容が記憶に定着するでしょう。よく学生の中には「なにを訊いて良いか分からない」「大勢の前で訊くのが恥ずかしい」という方がいます。ですが、このタイプのセミナーなど、せいぜい多くても20〜30人くらいです。社会に出た後、もっと大勢の前で話す機会もあります。そのとき「恥ずかしい」を理由に避けることはできません。

今から弱点を克服する良い機会と捉えて、自分から積極的に質問するようにしましょう。恥ずかしいのはその時だけです。大半の学生も採用担当者も、恥をかいたこちらの顔など覚えていません。

そうした意味で、業界研究系のセミナーであれば、必ず事前に疑問点や質問事項を洗い出しておきましょう。ゼロの状態で参加するのと多少なりとも理解があるのとでは、上記の通りセミナーの理解度が大きく変わってきます。主に「業界のビジネスモデル」「業界の各企業の強みや弱み」「事業・仕事の流れ」「各社の今後の戦略」くらいは押さえておきましょう。

プロジェクト型インターンシップ

あるテーマ、課題を与えられて、それにチームで取り組んでいくタイプのインターンシップです。基本的に3日〜1ヶ月くらいの一定のスパンで実施されることが多いです。

プロジェクト型インターンシップの実施目的

大手・ベンチャー企業を問わず目的は「優秀な学生の発掘」です。ベンチャー企業の場合、優秀な成績を上げた学生に対しては(少し卑俗な表現にはなりますが)かなり露骨な囲いこみをかけてくることも多いです。

プロジェクト型インターンシップの攻略法

このタイプのインターンシップは、連日チームのメンバーと行動を共にするので、それを意識した上で振る舞うことが必要です。

メンバーとの接し方

3日とは言え、1日8時間であれば合計24時間一緒に活動することになります。丸1日です。それだけ一緒にいれば、少しはメンバーの人間性や価値観も見えてきます。加えて、あるプロジェクトに取り組む際には、自分の意見を発信し、また相手の意見も耳にすることになります。そうなると当然ですが、考え方が衝突して、最悪言い争いに発展してしまうケースも少なくありません。3日のインターンシップの場合、そうなってしまうと収拾がつかず、参加したこと自体が無意味になりかねません。たった3日で一度崩れた関係を修復することは困難だからです。1ヶ月クラスのインターンシップであれば、それも何とか可能ですが、ベストなのはそうならないことです。
たとえば、次のようなことを意識しておくと良いかもしれません。

  • 様々な学生が参加しており、価値観や人間性も大きく異なることを意識しておく
  • 対話するときは感情的にならない
  • 何かを伝えるときは、相手の「納得感」を意識する
  • 自分の意見を押しつけず、提案ベースで話をする
  • 周りの意見に理解を示し、無闇に批判をしない
  • 反論する場合、必ず明確な理由を示し、頭ごなしに言ったりしない

これらはグループディスカッションで意識すべきことですが、プロジェクト型は基本的に連日グループディスカッションを繰り返しているようなものが多いです。そう思って常に周囲を意識した振る舞いを心がけましょう。

目標と計画を明確にしておくこと

プロジェクト型のインターンシップには、当然ですが明確なゴールがあります。たとえばビジネスコンテストのようなものがあれば、発表の場があります。その期日も決まっていますので、そこまでに何をすべきか、どう取り組んでいくべきか、明確に考える必要があります。

インターンシップに参加する上で、何らかの目的・目標があるかと思います。ですが、日々漫然と参加しているだけでは、大抵の場合「楽しかった」など遠足の感想レベルの体験で終わってしまいかねません。具体的に日々目的達成に向けて取り組まなければ得るものは多くありません。時間を無駄にしてしまいます。

まず最終日に自分がどうなっていたいのかをきちんと考えておきましょう。プロジェクトで優勝したいのか、何か得たい経験や変えたい弱みがあるのか、それともそれ以外の何かか。まずそれを明確にしましょう。その上で、インターンシップの中ではどんなことを意識する必要があるのか、課題を洗い出しておきましょう。

何に取り組むべきなのか、しっかりと見えているのといないのとでは、参加意欲も変わってくるものです。貴重な時間を無駄にしないためにも、計画性を持って参加するようにしましょう。

就業体験型のインターンシップ

実際に現場の仕事を任されるインターンシップです。文字通りの「就業体験」になります。基本的に3ヶ月〜半年、ものによっては1年以上の長期に及ぶものもあります。少しレベルの高いアルバイトのような感覚で考えておいた方が良いかもしれません。

就業体験型のインターンシップの実施目的

ベンチャー企業が実施することが多く、端的な目的は「労働力の確保」と「優秀な学生の囲いこみ」です。採用活動にコストも人手もかけられないベンチャー企業は、インターンシップで成長意欲の高い学生を募り、そのまま採用に繋げることを考えています。

就業体験型のインターンシップの攻略法

かなり長期のインターンシップになるので、それだけ学べることも多いです(与えられる仕事のレベルにも依りますが)。ですが、それもきちんとした目的・目標があってこそです。このタイプのインターンシップでは、「プロジェクト型インターンシップ」で意識すべきことに加えて、更に次のような点を押さえておきましょう。一言でお伝えすれば、「あらゆるリスクを強く意識すること」が大切です。

仕事の丸投げを覚悟しておく

ベンチャー企業の一番の特徴は「とにかく忙しい」です。少し余談ですが、筆者は最初の就職先が設立間近・社員10人程度の「ド」のつくベンチャー企業でした。入社の初月から朝6時に出社し、夜は終電で帰れればマシな方、会社に5泊6日という生活でした。休日など当然なく、月間で450時間以上働いていました(ちなみに1日8時間労働、週休2日制、残業40時間ですと、月間の就業時間は200時間くらいです)

そこまでのベンチャーもあまりないとは思いますが、ベンチャーとはそうした世界だと言うことです。まず定時で帰れる社員などいません。それくらい多忙ですので、インターンシップの学生を採用したところで、丁寧に研修を行ってから仕事を任せるなどということは行いません。最低限の指導はしてくれるかもしれませんが、基本的には「丸投げ」を覚悟しておきましょう。

何事においても自分から積極的に動く

指導する暇がないため、不明点なども学生自身が自ら訊きにいかなければなりません。そのため、ほかのインターンシップよりも、自分から積極的に動くということが求められます。実際に就業している以上、学生身分であろうとれっきとした社員として扱われます。横に社員がつきっきりで面倒を見てくれたりはしません。

仕事に対しても同様です。なにか仕事を与えられたとき、そのやり方を懇切丁寧に教えてくれたりはしません。ですので、自分で1から考えて取り組まなければなりません。そのため、失敗を恐れて一歩を踏み出せない学生には、このタイプのインターンシップは向きません。そういう意味では、自分の行動がどういった影響を会社に及ぼすのか、そうした想像力(=リスクヘッジの力)を持っていないと厳しいです。

会社の利益を背負っていることを意識する

その他のインターンシップと就業体験型の最大の違いは、会社の利益がかかっていることです。
セミナー型やプロジェクト型は、どれだけ実践的といっても、学生が会社の損益を背負うことはありません。ですが、就業体験型は会社の実務をこなす以上、会社の損益がかかってきます。学生本人の成果如何で、もしかしたら本来会社に入る筈だった利益を失ってしまうかもしれないリスクがあるわけです。そのため、アルバイトのような感覚で取り組んでいると大火事を起こしてしまいかねません。

また「学生だから」甘く見てもらえるということもありません。インターンシップで雇われた以上、社員から見ても顧客から見ても、あなたは「学生」ではなく1人の「社員」です。よって、ミスをすれば当然クレームを言われますし、成果を上げれば信頼を得ることができます。

くまにぃ

以上、ざっくりとですが、インターンシップのタイプ別に意識すべき点を列挙させて頂きました。内容の濃いインターンシップであれば、それだけ多くのことを学べる反面、求められるレベルも高くなります。インターンシップを有意義なものにするためにも、ぜひ一度ポイントを振り返ってみて下さい。

  • この記事を書いた人

くまにぃ

1983年福岡県育ち。人材×IT領域の経営者兼投資家。『就活・転職初心者の方、ビジネス力を上げたい方の難易度を下げる』をテーマに発信しています。【経歴】明治大学→学生起業→広告代理店(新卒)→採用コンサル起業→ITスタートアップ起業→一部上場企業へM&A→投資家【実績】年間約1万人参加の就活生向けセミナー実施

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