
インターンシップへ参加するとき、ただ漫然と参加しても効果はありません。なぜ参加するのか、その目的を達成するためには参加する上で何を意識すべきなのか、きちんと自分なりに考えて取り組みましょう。
今回は、基本的なマナーから心がけておきたいことなど、参加する上で最低限押さえておきたいポイントについて簡単にお伝えできればと思います。なお、今回はどのタイプのインターンシップにおいても共通して意識しておくべきポイントについてになります。合わせて、別の所でタイプ別に意識すべき特定のポイントについてお伝えできればと思います。
参加する目的、日々の目標を明確にする
まず、なぜ参加するのか目的意識・目標を明確にしましょう。ただ「なんとなく」「とりあえず」で参加した所で、大して得るものはありません。たとえば「企業の社風について理解したい」のなら、そうした視点からプログラムに取り組む必要があります。それによって、参加前の事前準備の内容も変わってきます。まず参加する目的をきちんと明確にしておきましょう。
参加中も常に「なぜ自分が参加しているのか」を都度、思い返しておきましょう。参加中は大抵、プログラムに意識がいってしまい忘れがちになるものです。ノートや手帳の端に書いたりして目につくようにしておくのがオススメです。
基本的なビジネスマナーを押さえる・意識する
参加する上で、基本的なマナーを押さえておく必要があります。
普段のサークルやゼミなど大学内での交流と同じ意識で取り組んでしまうと、企業の方々に対して礼を失することになりかねません。特に長期のインターンシップの場合、学生や採用担当者と長く一緒にいるため、だんだんとマナーが崩れてきてしまいかねません。インターンシップは学生が就業体験を行う場であると同時に、企業にとっては選考の場でもあります。
もしインターンシップ先の企業に本気で入社したいと考えている場合、些細なマナーを失するだけでマイナス評価をもらってしまうのは非常に勿体ないです。参加している間はマナーを常に意識しておきましょう。
学生テンションで振る舞っていると非常に危険です。たとえば、友人同士ですと、予定を当日にキャンセルしたり、遅刻の連絡を集合時間ぎりぎりに入れたりすることも多いのではないでしょうか。
ですが、ビジネスシーンではこれらはNGです。基本的なマナーがなっていない人は、どれほど素晴らしい実力を持っていても、社会で信頼を得ることはできません。当たり前の連絡や報告すら出来ない人に仕事が出来るとは誰も考えないからです。
様々な学生が参加していることを意識する
特にプロジェクト型のインターンシップで意識しておきたいことです。
3日以上の長期のインターンシップの場合、それだけ長く参加学生や採用担当者と過ごすことになります。プロジェクト型インターンシップの場合、共に一つの課題に取り組むことになるので、毎日のように一緒に議論したり作業したりします。その中で、だんだんと互いの考え方などが見えてきて、時に食い違ったり衝突したりすることも少なくありません。そうして険悪な関係になったまま、最悪インターンシップが終わってしまうケースも多いです。
ビジネスシーンでは、時に凄く気の合う人と出会うこともあれば、時に全く気の合わない人と出会うこともあります。後者の場合、その人と仕事をするだけでも正直気が滅入ることもあります。ですが、それがビジネスです。そうした様々な人たちと丁寧に付き合っていかなければなりません。そして、それはインターンシップでも同じです。自分の考えが絶対だとは思わないこと、相手の考えを真摯に尊重することも大切です。
その時々で学んだこと、気づいたことを押さえておく
目的意識・目標をもって参加した以上、必要なのは「その目的が達成されているのか」を合わせて振り返ることです。そのためには参加中に学んだこと、気づいたことをしっかり押さえておきましょう。
たとえばセミナー型であれば、学んだことをノートに取りましょう。プロジェクト型であれば、たとえば「今日のディスカッションでは、こういう点で貢献しよう」と決めて、取り組みましょう。そして、都度気づいたことをメモしていきましょう。「あのときは、もっとこうすれば良かった」などといった具合です。その時その時で記録せずに、インターンシップが終わった後に振り返ろうとしても、漠然としたことしか思い出せないことが大半です。
プロジェクト型であれば、初日の目標を達成できなかったら、次の日に達成を目指すなど、日々一歩ずつ進んでいく意識が必要です。ですが「今日のプレゼンがあまり響いていなかったから、明日はもっと頑張ろう」といったレベルでは不十分です。「今日のプレゼンは緊張から早口になってしまった。またアピールポイントが見え難くて、何が言いたいのか伝わっていない人が沢山いた。だから明日は冷静に、まず結論から伝えることを意識しよう」というくらい具体的にしましょう。結局「何をしなければならないのか?」が明確でない反省には、ほぼ実効性はありません。
また、もう1点、社員の仕事に意識を向けておきましょう。
インターンシップ中は、様々な場面で社員の仕事を目にすることができます。プログラム内容の説明=プレゼンや、配布された資料、何気ない会話などから、社会人の振る舞いがどのようなものか見えてきます。たとえば、分かりやすいプレゼンを行うために大切なこと・意識していること、資料作成において心がけるべきポイントなど、学べる点が非常に多いです。
自分を積極的に発信する
インターンシップには、用意されたプログラムがありますが、そこで得られるものは参加者によって違います。では、その違いはどこに出るか? 端的には当然ですが「参加度」に出ます。どれだけ本気で取り組んでいるか、です。
たしかに、インターンシップの選考を通過してきた学生には、ある程度、どんなことに対しても前向きに取り組める積極性が備わっているでしょう。ですが、それは「初対面の人ともそつなく対話できる」など、そうしたレベルのことが多いです。ここで言う「積極性」とは、たとえばプロジェクト型のインターンシップであれば「積極的に自分の意見を発信する」などということです。つまり「自分を出す」ということです。
ある課題が提示されたとき、それをこなすにあたって自分には何が足りないのか、それを知るためにはまず自分の力を最大限に発揮する必要があります。得られるものは発揮したものの質・量によって変わってきます。
筆者の例を一つお伝えできればと思います。ある時、プロジェクト型のインターンシップに参加した際、課題のためにグループディスカッションを行うことになりました。そこで、どうせ議論するなら練習もかねて本番のグループディスカッションを想定してみようとなったのです。その時、何度もディスカッションをしたのですが、ファシリテーターから書記、タイムキーパーなど様々な役割を全員が一度は体験できるよう交替で回しました。その中で、敢えて向いていない役割でも強制することで、本当の自分の適性を見極めようとしたのです。
結果、それまで「向かないと思った」「恥ずかしい」などの理由からファシリテーターを一度もやったことがなかった人が、実際にはかなり向いていることが分かるなど発見もありました。このように、普段経験しないことに挑戦するからこそ学べることがあります。
勉強に「復習」というものがあります。これは大切なことですが、何度同じことを復習していたところで偏差値は上がりません。新たな知識を吸収しなければ、様々な問題に対応できないからです。インターンシップは「挑戦するための場」です。
少し話は変わりますが、インターンシップで評価される学生には、主に2通りいます。1つのタイプは「圧倒的な能力を発揮した学生」、そしてもう1つのタイプは「圧倒的な成長を見せた学生」です。最初は印象の薄かった学生が、インターンシップが終了する時には見違えるように印象が変わることはよくあります。たった3日くらいのプログラムでもです。そうした学生に共通するのは、このプログラムに対する「参加度」(本気度、意欲、熱意)が総じて高いことです。
最初は失敗ばかりでも、恐れず恥ずかしがらず様々なことに挑戦した学生は、最終的に誰よりも多くのものをインターンシップで得ていることでしょう。そして、そうした学生が企業から最も評価される1人となります。
企業研究の成果を確認してみる
これは少し余談的な話になります。
もし余裕があれば、事前にホームページで調べたり企業のOB・OGの方とお会いしたりして、業界や企業について理解しておくことをお勧めします。その成果を意識して取り組むと、色々と見えてくることもあります。
たとえばセミナー型では、自分が調べた結果生じた疑問が解消するかもしれません。プロジェクト型では、取り組む課題の一助となることが多いです。こうした事前の理解が成果を大きく左右します。選考直結型では求められている人物像を事前に把握しておき、それに沿った能力をアピールできれば採用担当者にも響くでしょう。
インターンシップは実際に職場へ入ることができる、または職場の人々と交流できる何よりのチャンスです。企業研究の成果を実際に肌で確かめるのに、これ以上の機会はありません。

以上、少し長くなりましたが、インターンシップに取り組む上で意識しておきたいことをざっとお伝えさせて頂きました。インターンシップを少しでも実りあるものにするためにも、事前準備したことを取り組む中でもしっかり意識しておきましょう。