インターンシップ

【インターン体験談】理系大学院生がインターンシップを通して学んだこと

くまにぃ

この記事は元理系大学院生の学生さんに寄稿していただきました。これからインターンシップを控えている方の参考になれば幸いです。

今回は、インターンシップを通して見えたことについて、私の経験に基づいてお伝えします。ちなみに、私は国立大学の現役理系大学院生で、これまで3つのインターン(二週間、一年半、二か月)に参加した経験があります。

コスト意識

会社の目的とはなんでしょうか?決まってますね、お金儲けです。借りたりして資金を集め、お金を稼いで利益を上げることです。利益とはざっくり言えば(売上―使ったお金)なわけで、ここに元手の利息がついたり決算など支払日が決まっていたり、税金がかかったりなどでどんどん複雑になりますが、結局のところあらゆる経営判断はお金儲けに基づいてなされます。

文章にするのは容易いですが、自分が実際にすることをコスト意識に基づいて常に考えることは非常に難しいです。例えば、新しいウェブサービスを作るとしましょう。どんなものを?料金体系は?ターゲットは?作るのにかかる日数は?何人がどれくらい働くのか?あらゆる判断を、利益を生むためにしなければいけない。

会社に雇用されている時間は、貴方がクッキーをかじっているその5秒あたりに1円以上のコストが…なんてことまで言わないですが、突き詰めればそういう話になります。私は特にベンチャー企業で社長によくこういう話をされていたので(時には考えの甘さを指摘されました)特にコスト意識は身に付きました。

採用活動の意義

つまるところ、基本的に会社はお金を払いたくないし、お金を払うからには利益を求めます。そんな会社が、どうして採用活動をするのか?新しく人を雇うために、採用担当者やチームを作り(=他の仕事ができる分の労働力の減少つまり人件費の増大)、広報活動をし(=同左および広報資金の増大)、履歴書を読み、ふるいにかけるために面接やテストを行い(=会場を借りる費用、テストを作成する費用)など、キリがない。

そんなお金払うなら採用活動なんて止めてずっと仕事してた方がいいじゃないですか、とならないのは、新しく人を雇うことによって更なる利益拡大を図っているからです。かけたコスト以上のリターンを期待しているわけです。

採用したい人の基準

以上のことから、リターンを生み出す人材を採用したいわけです。もちろん人にはそれぞれの役割があるので、受け入れる役職に適した人材が欲しい。適合しているかどうかの基準は、例えば語学や専門知識などのスキル面の他、コミュニケーションに優れている、体力がある、計算が早い、頼ったら何とかしてくれる、場合によって容姿なども基準になり得るわけです。

そういった観点から考えると、逆に採用したくない人の条件も分かってきます。もちろんスキルを持たないといった面もありますが、それ以上に仕事を覚えるのが遅い、話を聞かないので業務が滞るなどに加え、遅刻癖がある、業務中寝る、みたいな基礎的なところも条件として考えることが可能なのが分かると思います。こういう『ハズレ』を引かないためにはどうしたらいいか、という観点から、なぜ採用活動において学歴が重視されるかという問いへの答えが導けます。ハズレが少ない(ということになっている)からです。

よく教育されていて、各種受験で要求されるスキル(≒暗記や知識の応用など)の保障がされている。SNSで飲酒運転なうとか言わない。総じて、会社にとって雇うリスクが少ないということになるわけです。

採用したい人材の予想

上記の観点から言えば、学歴で機械的に採用活動を行っている企業を除けば、学歴以外の部分でアピールできるわけです。英語ができます(TOEIC○○点です)、カフェのバイトで店長代理やってました(=仕事のマネジメント経験がある)、ダンスの大会で優勝しました(目標に向かって努力できる)、アプリ作りました(=専門スキルがある)、とか。

もっと抽象的な話をすれば、面接時の振る舞いからわかること(明るいから職場が元気になりそう、論理的だからプレゼン上手くなりそう)もあります。この観点から、就活スキルに特化した、いわゆるプロ就活生が採用したい人材として該当しないということが分かります。

まだ就活もしていない学生の戯言と言われればそれまでですが、そんなに大きく外れてはいないと思います。

だから今何をするか

上記の予想は私個人の経験に基づくものですが、このような予想に基づいて、「この仕事につくためには、もっと研究活動をしっかりしないとダメだ」「自分のスキルや好きなことから考えると、もっと適した仕事がありそうだ」といった考えに至り、その後の学生生活に活かせるというものではないでしょうか。

そういった就職活動を見据えた活動も多いにけっこうですが、私はインターンシップに参加して社員の方に「君はもっと遊んだ方がいい!」と言われてから、遊びを増やすようにしています笑。就職活動を抜きにして、人生の先輩から直接フィードバックをもらえる機会は貴重ですし、興味深い体験です。大学生活を充実させるための1つの選択肢として、インターンシップを捉えるとよいのではないでしょうか。

  • この記事を書いた人

くまにぃ

1983年福岡県育ち。人材×IT領域の経営者兼投資家。『就活・転職初心者の方、ビジネス力を上げたい方の難易度を下げる』をテーマに発信しています。【経歴】明治大学→学生起業→広告代理店(新卒)→採用コンサル起業→ITスタートアップ起業→一部上場企業へM&A→投資家【実績】年間約1万人参加の就活生向けセミナー実施

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