
海外企業の募集は、新卒(Graduates)を対象とした採用プログラムであるGraduate Programsと一般的な募集に分かれます。また一般的な募集はリクルート会社を通して行われる場合と求人企業自ら募集を行う場合があります。
求人情報に応募する際、まず必要となるものは履歴書(Resume)とレター(Cover Letter)ですが、Graduate Programsに応募する場合は成績表の提出も必須となります。また通常の求人でも、官公庁や企業によっては新卒でなくても最終学歴の成績表や卒業証明書の提出を求められることがあります。日本の大学で成績表や卒業証明書を発行してもらう際は英語での発行を依頼するか、翻訳を添付するようにして下さい。
以下、Graduate Programsと一般的に応募した際の採用フローについてご説明します。
Graduate Programs
Graduate Programs募集の情報は大学のキャリアセンターを通して入手することが多いため、企業によっては対象となっていない大学に在学している場合は応募できない場合もあるようです。Graduate Programsへの出願方法や採用手法も企業によりさまざまで、大学のキャリアセンターを通して応募する場合や、企業のウェブサイトから直接オンラインで申し込む場合があります 。
募集時期は国によってさまざまですが、大体最終タームが始まる頃に行われています。例えばアメリカでは秋に、オーストラリアでは夏(日本の冬)に募集を行っているケースが多いようです。
一般的なリクルート方法と異なり、Graduate Programsでは面接の前に IQ等を審査するAptitude testと言われる適性検査や、グループディスカッションなどが執り行われます。その後、2回もしくは3回の面接審査を経て、採用の有無が決定されます。
採用となった場合は、入社後社内トレーニングの後、数ヶ月毎に部署を異動して実際に経験を積み、自分と相性の合う部署を自己申請したり、部署のマネージャーが推薦・任命したりすることによって所属部署が決定されます。これは各企業の人事システムによるため、入社する会社によって異なりますが、通常入社して6ヶ月から2年の間に正式な部署が決まるようです。
リクルート会社を通して応募する方法
「海外企業の求人の探し方、見つけ方」に記載した通り、一般的に求人情報はオンラインの求人サイトを通して入手する場合がほとんどです。その場合、募集をかけているのがリクルート会社であれば、実際に求人をしている会社名は伏せてあるため、リクルート会社に応募をすることになります。つまり提出書類でまずリクルート会社の担当者を納得させなければならないわけです。
書類審査を通過するとまずリクルート会社で面接が行われます。そこで求人会社の求める人材に値すると判断されて初めて、実際に書類が求人会社へ送付されるのです。その後の採用フローについては、次の「企業へ直接応募する方法」をご参照下さい。
リクルート会社を通して応募する利点は、担当者に気に入ってもらえれば、万が一その会社に採用とならなかった場合でも他社を紹介してもらうことができる点です。また採用プロセス中も、面接でのアドバイスや会社側の情報などを随時入手することができます。さらにデータがそのリクルート会社に残るため、次に転職を行う際、求人会社を紹介してもらうことができ、仕事を早く取得できる可能性もあります。
企業へ直接応募する方法
求人サイトでの募集が実際に採用する企業の場合や、企業サイトから求人情報を入手した場合は企業へ直接応募することになります。 通常の求人では、募集している職種の、役職名・業務内容、そして学歴も含めた必要なスキルが明示されています。応募する際これらの情報をよく理解し出願書類を作成する必要があります。
書類審査を通過すると、企業や職種によってはテストやプレゼンテーション審査が行われることもありますが、ほとんどの場合は面接のみとなります。 面接も直接面談が普通ですが、担当者が遠方の場合は電話またはスカイプで行われることがあります。面接回数はさまざまで、少ない場合は1回、多い場合でも3回くらいまでで内定の有無が知らされます。
内定通知をもらう、もしくは最終選考まで残ると、次に重要となるのが前職への照会(Referral )です。これは前職のマネージャーなどにリクルーターのスキル、長所や短所、働きぶりなどを問い合わせ、企業の求める人材かどうかを確認するものです。通常Referralは二人ほど提出し、企業の人事担当者が電話もしくは書面で問い合わせます。リクルーターはReferralを選定し、照会先となる上司へ事前に連絡しておくのが礼儀とされます。