
海外企業に応募する際、まず必要となる書類が履歴書とカバーレターです。その中で今回は英文履歴書についてご説明します。
英文履歴書(Resume/CV)は、日本のようにその場ですぐ作成できる単なる経歴書ではありません。海外では高校や、専門学校などで履歴書の書き方を学ぶクラスがあり、また履歴書を代筆するResume serviceというビジネスが存在する程重要な書類で、応募する職種・求人に沿うよう随時更新されるのが一般的です。
ではネイティブスピーカーでも時間と労力をかけて作成する英文履歴書は、どのように書けば良いのでしょうか?
英文履歴書の特長
- 就職活動の第一関門であり難関の関門
- 応募する求人に合わせ、随時更新が必要
- 決まった様式がない
- 生年月日や性別、婚姻の有無などの個人情報や写真は不要
- 単なる学歴や職歴のリストアップではなく、具体的な職務内容を記入
英文履歴書の様式
英文履歴書には決まった様式がなく、どのようなレイアウトで作成するのかということ自体がリクルーターのアピール手段となります。人気のある求人には何百、何千通もの応募が集まるため、その中で自分の履歴書に目を留めてもらうにはどうしたらいいのか、工夫が必須となります。
英文履歴書は一般的にA4用紙1−2枚で作成されます。フォントサイズは11辺りで、フォントは Times New RomanやArialが多く使われています。ただし、必ずしもこれらのフォントを使用しなければいけないわけではありません。大切なことは、いかに自分の特長が履歴書から感じられるか、求人企業の担当者にとって読みやすいか、ということです。ですからそのことを踏まえて、あえて違うフォントで目立たせるという方法もあるでしょう。また同じフォントでも太字・イタリックなどスタイルを変えて強調性を持たせることもできます。
どの様式を選択する場合でも、履歴書全体に統一性を持たせることが重要です。フォントサイズやスタイルが項目によって異なったり、インデックスがバラバラであったりすると内容がいくら素晴らしくても問答無用となります。
Resume templatesでウェブ検索をすれば、レイアウトを含め履歴書のサンプル、またonline resume creatorもありますので、それらを参考にして作成されると良いでしょう。
記述する項目
では英文履歴書に記述する項目と、各項目に記入する内容を見てみましょう。
Personal Data(個人情報)
名前、住所、電話番号などの個人情報を記入する欄ですが、国籍・性別・生年月日などは一切記載しません。一方、言語スキルを個人情報として記入することもできます。その際は、各言語のレベルがどの程度なのか、Fluent/Intermediateなど追記するのが通常です。このPersonal Dataは履歴書の一番上に記載します。
Objective/Achievements/Highlights(希望職種/キャリア・ハイライト)
必須項目ではありませんが、記述されることの多い項目です。Objectiveは目指すキャリアゴールについて、AchievementsやHighlightsは今までのキャリアで達成した実績を記載します。どちらの項目でも記述する際は、応募する職種に関連した事項を挙げることが大切です。
Work Experience(職歴)
最新の職歴から順番に記入していきます。各職歴につき、企業情報や職務内容について、文章ではなく、動詞から始まる箇条書きの様式で記述します。
企業情報:会社名・勤務国/都市名・簡単な事業内容・勤務期間など
職務内容:役職・業務を通して得たスキル・実績など この項目は履歴書の中で、いかに求人企業の求める能力や職務経験を自分が保有しているかをアピールできる、最重要な項目です。そのためには、行った業務全てを記入するのではなく、求められている業務に絞るなど、簡潔且つ効果的に記入することが必要となります。
Education(学歴)
最終学歴から順番に学歴を記入します。大学名だけでなく、専攻コースやHonorsなども記述します。また応募する求人で求められている知識についての科目を受講したなど、特筆したい場合は、取得した科目名を記入しても良いでしょう。
Skills(スキル)
取得した資格やコンピュータースキル など、応募する職種に関連するスキルや表彰歴などを記入します。コンピュータースキルは求人が特定のソフトウェアスキルを求めていることが多いため、その知識がある場合は特筆し、スキルのレベルをProficient/Intermediateなどと追記すると良いでしょう。
Interests(趣味)
普通に趣味を記入するだけでも構いませんが、個人の特長をアピールすることもできます。例えば出張の多い仕事に応募する際に、旅行が好きだと明記し、海外出張も厭わないことを含蓄します。キャリアとしての経験だけでなく、個人の趣味からも応募する職種を楽しめる、まさに天職であることを趣味の項目からアピールする方法もあるのです。

以上、英文履歴書は単なる職務経歴書ではなく、リクルーターがいかに求人企業にふさわしい人材かとアピールする書類であることを、ご理解いただけたかと思います。謙虚さが美徳とされる日本人には難しいことですが、自分をマーケティングし、それをどう履歴書として表せるかが鍵となるのです。