
海外企業で応募したい求人が見つかった場合、まず必要となる書類が履歴書とカバーレターです。前回は英文履歴書の書き方をご紹介しましたので、今回はカバーレターについてご説明したいと思います。
カバーレターとは
カバーレターは、従来履歴書を郵送する際に挨拶状として添付されたレターですが、Eメールでの応募が一般的となった現在でも、使用されています。英文履歴書同様、カバーレターにも決まった書式はありませんが、通常A4用紙一枚にまとめられ、ビジネスレターと同様の形式に準じて作成されています。
カバーレターでは、履歴書でアピールしきれない能力やスキルについて、より有効に説明することができます 。 カバーレターの善し悪しで履歴書を見てもらえるかどうかが決まることもありますので、カバーレターを求人企業に合わせて準備をする方が良いでしょう。
カバーレターのフォーマット
英文ビジネスレターの形式が用いられ、記載順は下記の通りとなります。
Header
- 応募者情報:名前・住所・電話番号・Eメールアドレス
- 応募先情報:部署名・会社名・住所
- 日付
- 表題(Subject): 応募する職名を記入(Job numberがある場合はJob numberも記入)
- 宛先:担当者名を明記。不明な場合は部署のマネジャー等記入
Opening(前文)
主に応募経緯や志望理由を書きます。「始め良ければ終わり良し」と言われる通り、カバーレターの最初の文章は非常に重要です。採用担当者に続きを読んでもらえるかどうかが、この前文にかかっているのです。
ですから、ただI am pleased to apply for ~(謹んで応募致します)などと書くのではなく、どうしてこの仕事に応募したいのか、この仕事でないといけないくらいの意欲が伝わる文章にすることが大切となります。応募する会社や仕事についての知識がある場合は、それを簡潔にアピールするという方法もあるでしょう。
Body(本文)
ここでは、応募する企業に何を提供できるのか、いかに自分が企業の求める人材であるのかをアピールします。ただし、履歴書に書いたことを繰り返すのではなく、具体例を挙げて、その職種に関連する経験や能力を保有しており、企業に貢献できることを売り込むのです。効果的に訴えるには、無関係な経験などを羅列するのではなく、関連するスキルのみに限定してまとめることが重要となります。また、売上高など達成した数字を実際に挙げて、そのスキル・実績を証明することも有効な手段といえるでしょう。更に、その具体例からtime managementやorganizational skillsなど資格ではないものの、その業務に不可欠とされる自己の能力をアピールすることも可能です。
この本文を書くに当たって、最も重要となるのが求人企業の広告です。「日本企業と海外企業の採用の違い」でご説明した通り、企業の求人情報には必要とされるスキルが明示されています。正にその求められるスキルを自分が保持していると、いかに説得できるかが鍵となるのです。
Closing(末文)
その他、追記すべき能力、もしくは上記したスキルのまとめや、採用を考慮してくれたお礼、また履歴書を読んでもらうよう促す文を書きます。最後に、Yours sincerelyなどの結語も忘れず含めるようにして下さい。
Signature(署名)
日本では印鑑を押印しますが、海外ではサインが印鑑の代わりとなります。レターをプリントアウトしてサインをし、それをスキャンするなど手書きのサインをレターに含有します。サインは漢字でも構いません。またサインの下にフルネームをタイプすることも忘れないようにして下さい。
注意すべきこと
書類の統一性
「英文履歴書の書き方」でも触れましたが、履歴書もカバーレターも決まった様式は特にありません。多く使用されるフォントなどはありますが、必ずそれでなくてはいけない、ということはありません。大切なのは担当採用者にとって読みやすく、ふさわしい人材であることを伝えることです。そのため、フォントサイズは大きめで見やすく、履歴書とカバーレターのフォントは同じにするなど、全体的に統一性を持たせることが重要といえます。
間違いのない書類の作成
書類を作成したら何度も読み返し、また書類全体が統一されているか確認するよう心がけて下さい。スペルや文法の間違いに始まり、レイアウトの不統一性などのうっかりミスが原因で不採用になる可能性があるためです。また同じ単語を何度も使ったり、同じ内容を何度も繰り返したりすることのないよう、文章全体にまとまりを持たせることも大切です。間違いや重複部分がないよう、第3者にチェックをしてもらうという方法もあるでしょう。