
この記事は私が実際に商社に勤務されている方にヒアリングをおこなって作成しています。大手商社や4大商社を志望する就活生の方の参考になれば幸いです。
仕事が多岐にわたり、これぞ「THE・商社の仕事」!というのは一言ではかなり言い表しにくいのですが、仕事以外の部分、例えば社内での上司からの夜のお誘いや、取引先との接待などでの宴席、また、ヒラ社員で終わりたくない人は社内での政治活動(!)を頑張らなければならないことも、他の業種にはない特徴のうちの一つと言えます。
接待について、ですが他業種ではすでにこの費目の予算を削っているところも多い中、商社は全くその動きがありません。しかも、昔より増えているのではないかとすら思えます。
とくに最大手二社においては、他業種の方が驚いてひっくり返るほど多くの交際費を使えているという現実があります。この不況下においても、商社から「交際費」の部分を削ることで、交際費を削ってその分を経常利益としたのと、交際費をそのまま生かしたままで利益を計上するのとでは、結果があまりにも明らかであり、当然後者のほうが売り上げに貢献するからこそ決して交際費を削らないわけです。
商社だけは、交際費ひとつで大きく売り上げが違ってくるんですね。それほど、商社にとって交際費を削ることは命取りとなるのです。ですから、商社に勤める以上、アルコールにある程度強いほうがもしかしたら有利かもしれませんね。話題の豊富さや人当たりの良さも重要と言えるでしょう。
ビジネス本にもあり既に有名なのかもしれませんが、暖色系のシャツやネクタイを着用すると相手は気を許し、寒色系のシャツあるいはネクタイなどを着用すると相手は警戒する、などの色彩心理学を応用して営業に持ち込まれている方もいるようです。相手の気分をいかにしてほぐし、相手をいかにしてなごませ、相手からいかにして有用な情報を引き出すか、人心掌握の術そして夜の宴席での手腕がものを言いそうです。
ゴルフもある程度はできたほうがいいですね。平日の夜の接待の次には順位的には相手先とのゴルフの機会が大変多くなってくるはずです。特に、海外出張の時や、実際に海外で駐在されるとなると、土日はほとんどゴルフに駆り出されるのではないでしょうか。
日本のように飲酒しながらの宴席の習慣のない国ですと、ゴルフを楽しみながらもお互いの腹を探り合う、みたいなところは往々にしてあります。ゴルフ取得は大学を卒業してからでも間に合いますが、学生のうちにクラブを握り、打ちっぱなしなどで練習をしておくこともその後の自信につながってよいでしょう。
また、個人的な意見かもしれないのですが商社は他業種よりも喫煙者が多いなと感じています。それだけストレス性の高い職種ということなのでしょう。現在、喫煙をしない方に「喫煙しろ」とは決してすすめられないのですが、商社各社にある喫煙ルームではあらゆる年齢層の人が集まり、いろいろな、それもしかもかなりディープな情報がポロリと出ることもあるので、もし喫煙されるのであれば、「喫煙ルームで情報収集」(?)を頭の隅に入れておくといいかもしれませんね。
情報は商社の武器ですからね。情報は持っておいて決して損はありません。そうはいっても、自分は営業ではなく経理や財務、会計、審査の部門で活躍したいという方もいらっしゃるでしょう。そんな方にはこれらの営業の術はここまで必要はないのでご安心ください。
人事は面接などの段階でかなりそれぞれの学生の資質を見抜き、そして把握してくれています。人に相対することに多少のストレスを感じさせそうな人は、きっと管理部門に配属してもらえることでしょう。しかし、商社を目指そうとしているあなたは、きっと「人間力で勝負したい」とお考えのはずです。前向きに、そしてこれからの日本いや世界の未来を背負って立つんだという勢いでぜひとも、頑張ってほしいです。